シルバーセカンド開発日誌
 ここはゲーム開発者SmokingWOLF(スモーキングウルフ)の開発日誌です。
 【現在の目標】→ ウディタ3.5のバグを落ち着かせる! & 『片道勇者2』の開発!
 ※以前のブログが使えなくなったので、ただいまこの開発日誌に移転中です。
ウディタ 7/7

2021-02-20 (土)   ウディタ修正Ver2.253へ+片道勇者修正
【ウディタ修正Ver2.253へ+片道勇者修正】

前回の日誌から何をやっていたかというと、
Windowsアップデートで起きた問題に対応すべくウディタを最新版にしてみたら
今度は他の環境依存クラッシュバグが発生してしまったので
その調査でヒイヒイ言ってました。

もちろんウディタに問題が起きたということは
ついでに『片道勇者』も直さなくちゃいけなくなってワーキャーしてました。
といいますか、今も現在進行形でワーキャーしてます。
まだウディタにも片道勇者側にも問題があるようですので検証を続けています。

気付けばもう1ヶ月くらいサポート作業しかやってない気がします。
さすがに何もできないと飢える一方なので早くケリを付けたい!





【Steam版 片道勇者の重要な修正お知らせ】

2/16のアップデートによって、一部環境で起動時に
「Cannot locale basic info data ~~」と出てプレイできなくなっていましたが、
奇跡的に再現可能な環境の人が見つかり、2/19に修正することができました。

その間遊ぶことができなかった皆さまにはご心配とご迷惑をおかけしてしまい、
誠に申し訳ございませんでした。

ただこの問題、8~9割くらいの人は正常に起動できてしまっているので
一体どういう条件で起きるかが謎のままでした。
一つ前に起きたクラッシュバグもそういうのでしたし、
こんな環境依存バグばっかりでもう泣きたーい!

なお、まだ一部の環境でフリーズするなど不安定らしいので、引き続き調査を続行中です。
「環境依存バグ」ってRPGで言うと裏ボス級なんですがドンドコ出すぎです。
年に2件くらいでいいのよ……。



【サイト公開版の片道勇者、無印もプラスも近々新版へ移り変わります】

Windowsアップデートによる修正は『片道勇者』にも影響します。
これはWindowsアップデートによって、Game.exeごと更新しないと
どうにもならないバグが発生したためです。

なので片道勇者&プラスの「サイト公開版」は近いうちに、
これまでのバージョンの「オンライン更新」が一旦打ち切りになり、
【フリーの無印版なら新しいVectorのデータ】を、
【プラス版なら製品版データ】をDLし直さないと
次のオンラインアップデートができない状態になります。

そのときになればトップ画面に

「このバージョンはオンライン更新を打ち切ったので、
次以降のオンラインアップデートを行いたい場合は
Vectorから(または製品版データを)最新版をDLし直してください」


と表示する予定ですので、今この瞬間はお気になさらずとも大丈夫です!

なお、昔のバージョンでも普通に遊べている人は、
アップデートしなくてもそんなに問題は起きないと思います。
Steam版は自動で更新されるので心配は無用です。

そんなわけでみなさまにはご迷惑をおかけしておりますが、
ウディタも片道勇者も引き続きよろしくお願いします!
 2021-02-20 (土) web拍手 by FC2 カテゴリ: ウディタ




2021-02-06 (土)   ウディタVer 2.251 キーボード入力バグ緊急修正
【ウディタのキーボード入力バグ緊急修正 Ver 2.251】



1月のWindowsアップデートで『Microsoft IME(以下MS-IME)』が
大幅更新されたのですが、これがウディタに限らず
各所で不具合を引き起こしています。

WOLF RPGエディターのゲーム内のキーボード文字入力機能も、
この余波を受けて正常に入力できなくなってしまいました。
MS-IMEを旧バージョンに戻すことでおかしな現象は直せるらしいのですが、
MS-IMEはいちおうデフォルトのIMEであることから
そうと分からず困ったことになるプレイヤーさんは多いと思われます。

どういうことになるかというと、こんな↓感じになります。
2.24以前のウディタだとまともに文字入力ができないのが分かると思います。
(最初に出てくるのが従来バージョンを使用したときの異常例です)



ということで、ここ最近は緊急でウディタの修正を行っていました。
簡単に直せるかと思ったら意外とそうでなかったのですが
ひとまずこの問題を直したバージョン2.251を作りましたので、
必要な方はぜひお使いください!
※最初はVer2.25でしたが追加のバグが見つかって2.251になりました。

ダウンロードはいつものようにこちらです。

Ver2.251 ダウンロード
【WOLF RPGエディター公式 ダウンロードページ】



【重要なお知らせ】
このウディタVer2.25、ライブラリを最新にした都合上、
『過去のバージョンとの暗号化ファイルの互換性がありません』

これが問題になるのは特に「オンラインアップデート」を実装しているケースで、
【最新Game.exeが入ったゲームデータ】と
【過去Game.exeの入ったゲームデータ】では
「異なるオンラインアップデートファイル」を
ダウンロードしてもらうようにしなければなりません。
(あるいは過去Game.exeのバージョンの
オンラインアップデートを打ち切らなければなりません)

Game.exeのバージョン番号自体は、ゲーム内から
「システム変数115:[読]Game.exeバージョン番号(x100)」で取得可能ですが、
何にせよ「新旧の暗号化ファイルが混ざる」とまず【ゲームは動作しなくなります】ので、その点をあらかじめご注意ください。


『片道勇者(プラス)』のサイト公開分は、
両方ともこの影響をモロに受けるので現在対応中です。
あともちろんSteam分にも今回のバグ修正を取り入れないと
日本語入力がバグったままになっちゃう!

という感じで私個人は他にもやることいっぱいです。
横から入った仕事でメイン開発が進まないとちょっと焦る! 急ぎます。
 2021-02-06 (土) web拍手 by FC2 カテゴリ: ウディタ




2020-10-10 (土)   Unityを使ったウディタのSwitch移植!
【ウディタのSwitch移植情報!】

このたび、私のゲーム『片道勇者プラス』がSwitchに移植されました!
ので、今回はウディタ移植に関する情報をこの記事にまとめさせていただきます。

まずこれは前にもご紹介しましたが、
移植に関するエスカドラ様へのインタビュー記事が出ました(↓)ので、
特にウディタユーザの方で気になる方はぜひご覧ください!
具体的にどうやってウディタ作品をNintendo Switch上で動かしているのかが説明されています。

【「家庭用ゲーム機へ移植不可能」とされた
『片道勇者』がNintendo Switchデビュー。
難しすぎる移植はいかにして実現されたのか?】

https://automaton-media.com/devlog/interview/20200617-127872/

(見られない場合のアーカイブページ)

リンク先記事のざっくりとした内容としては、

●ウディタの基本プログラムをUnityのネイティブプラグインにしてUnity上で動かした。
自分をWindowsのゲームだと思い込んでいるソースコードが
Nintendo SwitchのUnity内でそうとは知らずに走っている。

(このやり方でちゃんとなめらかに動かせてるのが一番ヤバい!
将来的に考えれば効率的な方法ではあるものの、普通こういうやり方をしたら
動作がものすごく遅くなって結局「その作品1本だけの」移植をした方が楽という話になりやすいので、
「ウディタまるごと移植」はむしろスーパー技術者にしかできないシンプルな力業です)

●移植の話は技術的に困難で、私(SmokingWOLF)ではなかなか実現の見込みがありませんでした。
また、実は外部からの移植案件も来ていて、ご協力させていただいたのもあるのですが、
うまくいったという連絡も今のところありませんでした。
つまりその中で初めて成功させたエスカドラ様はすごいってことです!

●エスカドラ様によると、『今後はウディタ作品の移植は短い時間で可能』とのこと!
様々なチューンや審査が必要なので一瞬で完了するということはないけど、
ウディタ作品からコンソールゲームがリリースされるのを惜しみなく協力していきます!
だそうです!
(そして記事の最後に株式会社エスカドラ様のお問い合わせページへのリンクが貼ってある。
カモーンウディタリアーン!)

という感じでした。



【ウディタのSwitch移植の技術的な話題】

そして『片道勇者プラス』を移植してくださった株式会社エスカドラ様が、
ウディタのSwitch移植に関する技術講演をしてくださいました!

動画はこちらからご覧いただけます!(Unity Japan公式の動画なので安心!)


『もはやWOLF RPGエディター製ゲームがコンソール機にも出せる!
- Unityネイティブプラグインと化したウディタ -』



全部見るの大変! とかウディタユーザの人に重要なのはどこ?
というのが分からないと思いますので、今回はこの講演の内容について
ざっくりポイントになりそうなところをピックアップさせていただきます。
(※万が一、中の人に怒られたりしたらこの記事は消滅します)



【ウディタ作品の移植について】

◆『片道勇者』が他プラットフォームへの移植ができなかったので、
エスカドラ様がUnityネイティブプラグインを開発!



◆今後の取り組みは?
- いま現在、代表的なウディタ作品の移植を行っている

- 代表タイトルの移植を進めることでUnityプラグインの精度を高めているところ


◆今後のプランとしては以下の2つを考えているとのこと。
①ウディタ製ゲームの移植開発を共同で行う(売り上げからロイヤリティを分ける形)。
②エスカドラ様が受諾開発として移植開発を行う(まとまったお金を払って移植してもらう形)。

究極的には、『誰でも使えるウディタ製ゲームUnityプラグインの汎用化を目指したい』
だそうです! すごい!
もちろん、労力に対してどれだけお金が生みだせるかによるでしょうけれどね。


◆【宣伝】株式会社エスカドラはNintendo Switchを始めマルチプラットフォーム展開ができる!
→ なのでエスカドラさんまでご相談ください! とのことです。
 


【技術的な部分の話】

ウディタユーザの人にも、というか私に分かった範囲の点だけピックアップします。


◆移植したのはWOLF RPGの【Game.exe】だけ。エディターは移植してない。


◆移植方法の候補は3つあった(中には「Switch版DXライブラリ」を使う案もあった)が、
今回はUnityを使ってウディタのC++コードをそのままネイティブプラグインにした。

→ それぞれのやり方の細かいメリット・デメリットが講演内で語られています!
Switch版DXライブラリなどを使う案もあったそうです。



◆ウディタプラグインで処理して、Unity側に命令をためておいて実行する形を取ったよ。
→ 高速化においてはUnityやC#のこれこれこういう機能を使って高速にしたよ!
というのが細かく紹介されています。



◆音声ファイルについてはMIDIファイルが再生できなかったので
原作者自身がMIDIをそのままWAVファイル化したのを使ったよ。

→ 講演では出てませんが、実は私が130曲中の1曲だけやらかして
Switch版で山賊戦のBGMを間違えました。ごめんなさい。今は戻っています。

→ BGMはROM容量の75%ほどを占めた。まあ元が80MBのゲームでしたから
300MB近く増えるとそうなりますよね……。



◆セーブデータにおいては仮想ファイルシステムを用意したよ。




【作ってみて起きた問題】

◆一部処理で期待したほどの速度が出なかった! が他の手段を試してうまくいった。
→ インスタンシングがどうとか。知らない言葉ですね……。

◆環境によるC++の挙動の違いがあった。
→ C++のchar型の挙動が環境によって違う意味になる。
→ 他にも、私がウディタ内でC++のすごい危険な使い方をして高速化している場所があり、
それがコンパイラの差で違う動作になってしまっていました。




という感じでした!

私に分からなかった部分はピックアップしていませんので、
気になる部分があればぜひ、講演の動画を直接ご覧ください!

今回の講演で一番大きい情報は、やはり
「最終的にはUnityプラグインを汎用化したい(みんなが使えるようにしたい)」
というところではないでしょうか。

そうでなくとも、お金を積めば個別に移植作業をやってくださるっぽいので、
「このゲームならXXXX万円は儲かるからXXX万円くらい出して移植してもらうぜー!」
という自信があればエスカドラ様にご相談されてもいいと思います!
でも私でも3桁万円出すと猛烈に赤字になりそう。

なお、PLAYISM Game Show で挙げてくださっていましたが、
この技術を使って、今は『マッドファーザー』というゲームの
Nintendo Switch展開のプロジェクトが進んでいるようです。
『マッドファーザー』もウディタ製の元フリーゲームで、私も翻訳関連やSteam展開などで
今もこっそり技術サポートさせていただいております。

そんなわけで、ウディタ作品の家庭用ゲーム進出はまだまだ広がっていきます!
気になる方は今後もぜひ注目してください。
 2020-10-10 (土) web拍手 by FC2 カテゴリ: ウディタ




2020-08-30 (日)   第12回ウディコン、結果発表!
【第12回ウディコン、結果発表!】

ということで毎年の夏のお楽しみ、「WOLF RPGエディターコンテスト」も
8/29をもってとうとう結果発表&閉幕となりました!

【WOLF RPGエディターコンテスト 公式サイト】


今年の第12回は作品の数・品質、共に例年以上にすごい回となりました!
今回もいつも通り、上位3作品と、追加で気になった作品をご紹介します!



【第1位 『DAY:0』】 PANO 様



総合1位は、ユニットを自由に移動できる
タワーディフェンス風RTS(リアルタイムシミュレーション)、『DAY:0』!
類似ゲームが思いつかないので紹介用のジャンル名に悩む斬新さです。

基本的には時間経過で敵が出現してくる中、
射程範囲内の敵を自動で攻撃してくれる味方ユニットたちをうまく移動させ、
配置を工夫して、敵への火力や受けるダメージをコントールしながら
コアを守りつづけて進行していくというゲームです。

ステージの流れは固定で、ボス戦も用意されていますが、
ドロップするアイテムだけはランダムでローグライクっぽさがあり、
出たアイテムに応じて最善手が変わってくるのが特徴です。

最初はリアルタイムで進む戦闘に
「うわー今どうなってるんだーどうすればいいんだー!?」
とアタフタしてしまうのですが(※ポーズ機能は用意されています)、
慣れてくると、味方の配置やランダムに出てくる装備の付け方を最適化して、
何倍もの戦闘力を発揮させられるのが面白いところです。

特に編成を考え始めると試行錯誤が止まらないのが魅力!
最大10体(今は12体)から5体選べるどのユニットには、どれ一人として
役に立たないキャラというのが一切おらず、
組み合わせの有利不利が色々考えられており、
絶妙なバランス調整が行われているように感じました。

高難易度では色んな試行錯誤が効果を発揮してくるので、
「何か新しくて骨のあるゲームはないかなー」とお感じの、
ゲーマー寄りな人に特におすすめの一作です!

最初はアタフタしてしまってこの作品の奥深さが見えにくかったためか、
実は投票開始くらいのこの作品の暫定順位はそんなに高くなかったのですが、
時間が経って遊び込んでハマった人たちが増えてきたのか、
後半になるにつれて徐々に得点を伸ばしてきた一作でした。



【第2位 『怪異探偵委員会』】 茸沢しめじ 様



総合2位は、怪異を論理でぶった切る探索アドベンチャーゲーム『怪異探偵委員会』!
アンティークっぽさのあるインターフェースに、一貫性のある魅力的なキャラクターたち!
物語性で2位を獲得したのも納得の、気持ちよく遊べる一作です。

基本的には横スクロールの探索ADVとして進み、
色んなところを巡って情報収集し、オカルトを解き明かしていくのを見るゲームです。
目的ははっきり明示されており、やることも分かりやすいため、
スッキリ物語に集中できます。
推理は基本的にキャラクターたちが行ってくれるので、
配信者の方は実況プレイをしながら自分の推理を話しつつ、
答え合わせのつもりで話を進めると面白いかもしれませんね。

画像もおそらく全て自作で、全体的にすみずみまでこだわりたっぷりの一本!
特にマップ表現などは全体的にものすごいこだわりを感じました。
どこを見てもすごく『それっぽい』のがすごすぎる!

楽しそうなキャラクターたちの前向きになれる物語を楽しみたい人には、
ぜひおすすめしたい一作です。遊んでいるとラムネが飲みたくなります。



【第3位 『ゲー製ゲーム』】 南天 様



総合3位は、ウディコンに向けてゲーム制作するリソース管理ゲーム、
『ゲーム製ゲーム』!

ウディコンにウディコンに出すゲームを作るゲームを投稿する
(もう何を言ってるのか分からない)
というアイデアがすでに面白いのですが、内容も非常にしっかり作られています。

内容としては、ランダムな目が出るサイコロを2つまで保持できる中、
どっちのサイコロを使って進むか、いつアイテムを使うか、
どこでアイテムを補給するか、
を考えながら、HPやMPを維持しつつ、
少しでもうまいことコマを前に進めていくゲームです。
テーマやデザイン、ユーザビリティなどの発想を示す★を集めることも
最終得点に影響します。

ゲーム開発を表現するのに『すごろく』というベースを
採用しているのが凄いなと思ったところで、
日々色んな事件やバグが発生しながらも、今できる最善の解を重ねて
少しでも完成に近づけていく様子は非常に「ゲーム開発っぽさ」を
再現できていると感じます。

ちなみに、私がこのゲーム内で作った『地獄魔弾ドギンファス』は107点で11位でした。
「得点がすごく本物のウディコンっぽい数字だ……!」と感じました。
(参考までに、今年の第12回ウディコンの11位は総ポイント113.4点)

最新版では『将棋するエルフ』とか『弟が泣く頃に』とか『ハートフル謎の物体』など
微笑ましいゲームタイトルが出るようになってましたが、コメントによると超低確率で
『片道勇者』を作れるかもしれないらしいですよ。
元ネタに入れてくださってありがとうございます!

本作はゲームを作る人、特にウディコンをご存じの人におすすめな一作で、
遊んでみると「あるあるー!」と感じてしまうイベントの数々に
いっぱい共感できると思います。
(でもうちの近所じゃヤギとUFOはあんまり見ないです)
非常に遊びやすいので、色んな人におすすめできる一作です!



【第4位 『扉は君の鍵で開く』】 暗闇行灯 様



今回は総合4位まで総合得点がほぼ変わらない超高水準のバトルだったので、
ぜひこれも追加でご紹介させていただきたいと思います!

その4位は、推理アドベンチャーゲーム、『扉は君の鍵で開く』!
「推理ゲームとしてこれだけ硬派なのを見たのは久しぶりだ!」
と感じられる推理ゲーム作品です!

このゲームはNPCに対して「キーワードを選択」あるいは「自由入力で質問」し、
ストーリーを進めていくアドベンチャーゲームです。
それだけだと「へーそうなんだー」と思われるだけかもしれませんが、
ゲームを進めていくにつれて大量のワードが出てくるため、
その中で適切に質問して情報収集するのは
的確な予想ができていないとなかなかできません。

コメントによるとこういった対話型のゲームは今でもたまにあるそうですが、
個人的には数十年前のADV黎明期を思い出すストイックさを思い出させます。
(私も歴史資料でしか知らない時代なんですが)
使ったワードに反応が返ってきたり、当たりの資料を見つけたときに
「やった!」と思えるのはこういうゲームならではの楽しみです。

当然、推理や情報整理の素養が求められる場面も出てくるので、
「世の推理ADVなんてレールのついた記憶クイズじゃないか、
もっと歯ごたえが欲しいぞ!」
なんて普段お感じの、ガッツリとした推理に挑戦してみたい人には
宝物になるかもしれない、おすすめの一作です。



【個人的にプッシュしたいゲーム】

そして最後に、私が個人的にプッシュしたい作品をご紹介!

【『ベビーシッター2XXX』(総合11位)】 二六千里 様



「こんなローグライクありか! うわースゲー! アリだ! この発想はなかった!」
と感じた、『3文字で戦うノンフィールドRPG』がこの『ベビーシッター2XXX』です。

まず、文字をリソースとしてあつかうことでローグライク的に
ゲームを展開させるという発想に脱帽しました。

というのも、このゲームは保持できる「18個」の文字の中から
3つの文字を使って単語を作ることで攻撃や防御、回復などを行うのですが、
使った文字のうちの「どの文字を残すか」「手持ちをどう構成するか」の判断が
非常にアツい一作に仕上がっているのです!
そもそも手持ちの文字でどんな単語が作れるのか思いつくのが大変!
すごく頭を使います。

慣れてきてもかなり高めの難易度に感じられますが、
能力を上げて戦闘をラクにする要素があったり、
それでもダメなときは戦闘中の「リセット」で攻略の推奨ステータスにして
ステージ最初に戻れたりもするので、「詰んだ!」と思ったときも安心!

そういった配慮も各種用意されているので、言葉作りに自信があるひとや
変わったローグライクが好きな人におすすめしたい一作です。

作った単語ごとにそれらしい反応を示す、2人の表情もすごく好きですね! う●こ!
といいますか、単語全部に表情とかデータを設定されているのがヤバい!



ここで挙げたのは上位作品と私の好みの作品ですが、
この他にも方向性の異なる面白い作品が総合順位の上位に
ピックアップされていますので、
部門別の評価やコメントなども見ながら、
よければ面白そうなのを遊んでみてくださると幸いです!

今年は全体的に品質が高く、上位40位から漏れた作品でさえ、
「これおすすめです!」と胸を張って言えそうな作品が
きっとたくさんあったと思います。
あなたの好きなゲームが今後も作られるよう、
もし好きなゲームがあったら、ぜひ作者の方を応援してあげてください!

【WOLF RPGエディターコンテスト 公式サイト】



【今後について】

さて、ウディコンは来年2021年の『第13回』も開催予定です!
すでにスケジュールも決定済みなので、来年に向けての
残り32X日のカウントダウンを眺めながらの日常が再開されます。

祭りが終わってどこか寂しくなると同時に、
いつも気がつけば開催カウントダウンが0日になってるので
自分のゲームもしっかり開発していきたいですね。

それでは、第12回ウディコンに関わってくださった全ての関係者の皆さま、
今年も本当にありがとうございました!
よければ来年も、ぜひ見ていただけますと幸いです。
 2020-08-30 (日) web拍手 by FC2 カテゴリ: ウディタ




2020-07-26 (日)   第12回ウディコン、審査開始!
【第12回ウディコン、審査開始!】

ということで12年目のウディコン、ついに募集期間が終わり
審査開始となりました!



今年の作品数はなんと83本
まさかのここ数回の作品数を超えて歴代2位という、驚くほどの盛況です。
参加者の皆さまの情熱、本当にありがとうございます!

審査の締め切りは【8/24の23:59】までです!

審査内容は途中保存もできますので、
応援したい作品があればぜひ投票をお願いします!

4作品以上投票すると結果に反映されますが、
1作品の評価でも作者様へ「コメント」が届きますので、
「この感動を作者の人に伝えたい!」と思った方は1作品からでもぜひどうぞ。

第12回ウディコンページ▼


今年は全体的なクオリティが半端なく高いので、
気になったものだけでもよいのでぜひ遊んでみてください。
そしてよければ、投票もお待ちしております!

それでは、今年の夏もぜひウディコンをお楽しみください!
 2020-07-26 (日) web拍手 by FC2 カテゴリ: ウディタ




2020-06-20 (土)   ウディタ作品のゲーム機移植の話
【ゲーム機移植の話】

エスカドラ様とPLAYISM様のお力によって、
なんと『片道勇者プラス』がNintendo Switchで発売されました!
というのが前回のお話でした。



移植に関するエスカドラ様へのインタビュー記事も出ました(↓)ので、
特にウディタユーザの方で気になる方はぜひご覧ください!
具体的にどうやってウディタ作品をNintendo Switch上で動かしているのか説明されています。

【「家庭用ゲーム機へ移植不可能」とされた
『片道勇者』がNintendo Switchデビュー。
難しすぎる移植はいかにして実現されたのか?】

https://automaton-media.com/devlog/interview/20200617-127872/

(見られない場合のアーカイブページ)

リンク先記事のざっくりとした内容としては、

●ウディタの基本プログラムをUnityのネイティブプラグインにしてUnity上で動かした。
自分をWindowsのゲームだと思い込んでいるソースコードが
Nintendo SwitchのUnity内でそうとは知らずに走っている。

(このやり方でちゃんとなめらかに動かせてるのが一番ヤバい!
将来的に考えれば効率的な方法ではあるものの、普通こういうやり方したら動作がものすごく遅くなって
結局「その作品1本だけの」移植をした方が楽という話になりやすいので、
「ウディタまるごと移植」はむしろスーパー技術者にしかできないシンプルな力業です)


●移植の話は考えたことはありましたが、私には技術的に困難だと見込んでいました。
また、外部からの移植案件も実は来ていて、ご協力させていただいたのもあるのですが、
うまくいったという連絡は今のところありませんでした。

●エスカドラ様によると、『今後はウディタ作品の移植は短い時間で可能』とのこと!
様々なチューンや審査が必要なので一瞬で完了するということはないけど、
ウディタ作品からコンソールゲームがリリースされるのを惜しみなく協力していきます!
だそうです!
(そして記事の最後に株式会社エスカドラ様のお問い合わせページへのリンクが貼ってある。
カモーンウディタリアーン!)

という感じでした。


今回は上記記事の補足みたいな形で、
「別ハードへの移植」という課題についてなぜこれまで移植が実現しなかったか、
私個人の話をさせていただこうと思います。



【自分で別ハードへの移植はできなかったのか?】

株式会社エスカドラ様のおかげで別ハード移植が実現した今だからこそ言えることですが、
自分で移植しなかった(できなかった)理由もありました。

家庭用ゲーム機移植はどういう点が難しいのか?
まずおおざっぱに、別ハードへの移植には
以下の3つのレベルの「課題」があると考えています。



【レベル1 移植先のハードへリリースする『権利』を得られるか?】

そもそも私みたいな個人開発者の場合、
「家庭用ゲーム機などに移植する『権利』を得られるか」がまず問題でした。
これまでは個人だと、交渉しても「えー会社にしてから言ってよ」って
言われちゃうケースが多かったですからね。

ですがこれに関しては、ここ4年くらいで急激にハードルが下がってきた部分で、
ヘタすると「企業」という形を取っていなくても、
一部のゲーム機に出せる可能性が出てきている部分だと感じています。
(でも完全な個人でNintendo Swtichなどに出しておられるかたって
いらっしゃるのかな? 私も詳しくは存じません)

仮に、家庭用ゲーム機では個人で出すのがまだ大変だとしても、
少なくとも「スマートフォン」側のアプリ公開・販売に関しては
だいぶ前から個人に対してほぼ自由化されているので、すぐ出すことが可能です。
なのでこれまで一番高かった「そもそも移植の権利を得られるの?」というハードルは、
今ではだいぶ低くなってきていると考えています。

ところが、その先を乗り越えた場所にも大きな課題がありました。



【レベル2 移植先のハードで『期待通りの挙動』をさせられるか?】

ここからが技術的な課題です。

まず技術的に第一の関門である、
「そもそも移植先のハードで『期待通りの挙動』をさせられるところまで行けるか?」
というのが、けっこう大きな問題です。

とはいえ、私の開発ツールは『WOLF RPGエディター』であり、
プログラムのソースコード自体は全部持っているので
本当だったらわりかし簡単にできてもおかしくない部分です。本当だったら!!

ソースコードがひどすぎて、そのままだと動かないとこいっぱいすぎて
やっぱりすごい大変でしょうけど!
エスカドラ様のほうでも、私の爆弾入りうんこコードのせいで
大変なことになっていたと思います。

たとえば私が作ったウディタの実行部分は、ゲーム内処理を高速化させるために
どうやら本来の用途から外れているやり方で危険な処理を組んでいたらしく、
コンパイラのバージョンが変わっただけで微妙に挙動が変わるといった
見つけにくい問題が起きたりして大変なご迷惑をおかけしてしまいました。

ただそんな私みたいな「パソコン坊主+α」のレベルでも、時間さえかければ、
いつかはゲーム機上で元とほぼ同じ挙動になるまで仕上げられるかもしれません。
ここは最低限の技術力やセンス、学習力さえあれば、あとは「根気」の問題だけで、
「実現できる可能性がまだある」部分だと考えています。

最大の問題は次でした。



【レベル3 移植先のハードで『期待通りの速度で』動作するか?】

このレベル3、「期待通りの『速度』で動作するか?」というのが
あまりにも重すぎる課題で、正直、
私の能力では手に負えないと考えていた部分でした。

「ウディタ作品(や『片道勇者』)をスマホやゲーム機で出せるようにしないんですか!?」

とたまにご要望をいただきますが、ウディタの処理を普通にスマートフォンで動かしたら

「いちおう動くけど毎秒5~10フレームしか出ない! ここから3~6倍も速くしなきゃいけないの!?」

みたいなことになるのは、程度の差はあれほぼ確実です。
(通常、ゲームは毎秒30回更新や60回更新で動作させることが多いので、
5~10フレームだと目標の8%~33%分しか速度が出ていないことになります)

そして私は、こういった最適化技術に関してはやっぱり「パソコン坊主」レベルなのです。

仮に組んでみて5~10フレームしか出ない状態から、
なんとかして30フレーム出せるところまでいけるかというと、
それはもう「プログラム技術のうまさとセンスがどれだけあるか」かつ、
「スマートフォンやゲーム機での最適化にどれだけ熟知しているか」

という問題になってくるわけで、私にとって初めてのスマホアプリ開発や
ゲーム機での開発でそれが達成できるとはとても思えません。

この「速度の問題」をクリアするための技術は、何年もその機種で作り続けてようやく、
「最初からこういう構造で作っていけば速く動かせるぞ」
と理解できるようになってくるもののはずです。

なので私がいま移植プロジェクトを立ち上げたとしたら、その結末は
「何とか『元と同じ挙動』をするものは作れる」ものの、
「速度面の品質がダメすぎて何もリリースできない」

という形で終わるパターンが最も有力ではないかと考えていました。
(もちろんそれ以前、レベル2の『挙動の再現』すら達せない可能性もあるでしょう)

そしてまた、移植会社さまが一番すごかったのが、
「ここを期待以上にやりこなせる非常に高い技術力をお持ちだった」ということです。
このレベル3をどうにかできる力があるならば、実際どんなやり方だってどうにでもできるんですよ!
でも一方で、できなければ一切成果にならない。このレベル3はそんな課題なのです。



【それで、スモーキングウルフの能力としては?】

私の別機種への移植のハードルは前述のように考えていて、
このうちの「レベル3」を突破できる見込みが私にはありませんでした。

「でもウディタ作れたじゃん!」って?
実はウディタそのものは、
「Rubyでなんとか動く自作ゲーム(シルエットノート)を作れるスキル」の人間が、
「初めてのWindowsプログラミングでも時間をかければ作れてしまう」程度には、
「やる気さえあったらいつかは作れる」ものだったんですよ!

つまり、ウディタ開発は今回でいう「レベル2 意図通りに処理が動く」までの
必要能力やセンスだけで実現できるものだったのです。
私は採算度外視で動けるケースもあるので、
ウディタ開発プロジェクト単体で見れば労力の面ではすごい大赤字でも、
採算さえ無視すれば実現可能性が高いプロジェクトだったわけです。

なので私のプログラミングスキルは完全なポンコツではないかもしれませんが、
だからといってレベル3に至る技術力があるかというと、
そこにはあまりにもほど遠いものでした。


ということで、結局何が難しい点だったかをまとめると、
【レベル3 期待通りの速度が出せるか】の課題が明らかに難しいのと、
【水準に達しなければ何も出せない】
の2点が最大のネックだったのです。

特に、「品質次第では何も出せない可能性がある」というのが一番痛い!
仮に総合評価が50点くらいにしかならないゲームであっても、
リリースできる状況なら、完成すれば私は必ずリリースすると思います。

しかし今回のような「移植プロジェクト」は、評価が50点だとリリースすらできません。
「毎秒10フレームしか出ないゲームでも出していいよ!」という
家庭用ゲーム機の会社さんは今どきいらっしゃらないでしょうし、
プレイヤーの方も遊びたくないでしょう。
「ゲームの移植」という仕事が私のいつもの仕事とは違うのは、まさにその部分だったのです。

「経験値を得るための時間」を大量に費やしてもいいのなら
時間をかけて自分で試すこともできるのですが、
4年くらい前に事故で口座残高が2桁になってしまったので、
「時間をかけても何も出せないかもしれない」ハイリスクなお仕事に挑むのは、
ますます難しくなる一方でした。

そしてまた、そんなところに移植のチャンスが舞い込んできたので、
本当に関係者の皆さまには、頭が地面に埋まるほど感謝したい状況だったわけです。



【最後に 移植会社さんの技術も勇気も凄かった】

『ゲームの移植』というのは、たとえちょっと処理が不安定でカクカクであろうと、
「なんとかリリースできる」だけでも実はかなりの能力があるはずなのに、
周りからは「それじゃ不十分だ、もっと完璧に仕事をこなして当たり前」
と思われがちな、過酷なお仕事です。

そしてこれは私の想像ですが、要求される技術力に達することができず、
「リリース基準を満たせずに消えてしまった移植プロジェクト」というのも、
ウディタ移植に限らず、実は裏で結構あるのではないでしょうか。

そんな「ゲーム移植」という仕事の難しさにも関わらずに果敢に挑戦してくださった
株式会社エスカドラの皆さまの勇気と、移植を実現してくださった
その高い技術力に、私は心から敬意を払いたいと思います。
このたびはウディタ作品の移植を手がけてくださって、本当にありがとうございました。



そんなわけで、関係者の皆さまの血と汗の結晶である
『片道勇者プラス』、Nintendo Switch版はただいま好評発売中です!

【ニンテンドーeショップ 『片道勇者プラス』販売ページ】
¥1,500

ただスイッチ版だと字が小さいので、それが気になる方にはPC版の方がおすすめみたいです。
(特にSwitch Liteだと小さすぎて厳しいというお声も!)

一方で、快適性はヘタにパソコンでやるより速い人もいらっしゃるらしいので、そこはご安心ください!
チャンスがあれば、またフリカツのとき(ニコニコ動画)みたく
プレイ動画などを作ってご紹介したいと考えています。
 2020-06-20 (土) web拍手 by FC2 カテゴリ: ウディタ
ウディタ 7/7


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