シルバーセカンド開発日誌
 ここはゲーム開発者SmokingWOLF(スモーキングウルフ)の開発日誌です。
 【現在の目標】→ ウディタ3.5のバグを落ち着かせる! & 『片道勇者2』の開発!
 ※以前のブログが使えなくなったので、ただいまこの開発日誌に移転中です。
開発日誌 1/1

2025-06-14 (土)   サイト修正+開発日誌をFC2から移転!
 だいぶウディタのバグ修正が平和になったと思ったらたまに来るのが難しい課題ばかりになっていて毎回オエエエって言いながら直してるウルフです。

 ここ2週間は、前回『ウディコン歴史資料館』を作った勢いで自サイトの調整をしておりました! 
 というのと、長年使わせていただいていたFC2ブログでBANされちゃったっぽいのでGitHub内に開発日誌を移転しました! 今回はそれらのお話!


◆今回の作業:各ゲーム紹介ページのフレームをなくして整理する!


 まず今回進めてた作業のひとつは、ゲーム紹介ページの『フレーム』のページをなくすことでした!
 ※フレームって何?:複数のHTMLファイルを、分割したフレーム内にそれぞれ出すことで1つのように見せて表示するページ。メニュー部分だけ分離させたりして便利だった。

 以下のような、<frameset>というタグを使って区切られたページ(左)があったのですが、このフレームをなくして1つのページに統合する作業を行っていました。びっくりするほど手間がかかっていました。


 というのも実はうちのサイト、1998年頃からやってたのもあってフレーム要素を使いまくりであんまりよろしくなかったので、これの撤廃は前々からやりたいと思っていたんですよね!
 なにより<frameset>によるフレーム機能は、すでに今の標準仕様では公式には廃止されており、いつ動かなくなっても文句が言えない状態だったのです!
 本当はどこかの時点で1週間でも時間を取ってやるべきだったのですが、他が忙しくてここまでのびのびになってしまっていました。

 でも前回の『ウディコン歴史資料館』のGitHubアーカイブ化にはじまり、私のサイトや作品のアーカイブ化も視野に入れ始めたので、ようやく今になって修正し始めているというわけですね!
 まあゲーム紹介ページってあまり多くの人に見られないといえば見られないんですけども。

 でもなぜか『シルフェイド幻想譚』ページみたいに、1日50人くらいいらっしゃるゲーム紹介ページもあります。これはブラウザで遊べるものが置いてあるからかも? 来てくださる皆さま、本当にありがとうございます!



◆ある日判明した事実 私にしかFC2の日誌が見えてなかった


 そしてこちらは事件の話です。
 5月のある日、「(シルバーセカンド公式サイト側の)開発日誌(旧ページ)が見られません!」というご報告が届きました。

 「えー私には見えるんですけど。スマホから見たらダメとかかなあ、うーん?」

 と思ったりしつつ、ウディタ修正で忙しかったのでいったんは置いていたのですが、最近になって調査に協力してくださった方からの情報もあって、ようやく真相が分かりました。

 というのも、なんと公式サイトの開発日誌、私にしか見えていなかったのです! つまり、自アカウントにログインしている私にだけ普通に見えていて、そうでない一般の人にはアクセス制限がかかっていたということですね。
 さらに言うと、「特定のドメインのURLから見た場合だけ、先頭1ページだけ抜け道的に誰でも見られる状態だった(たぶんアクセス制限漏れ)」せいで、余計に条件を特定する難しさが発生していたのです。なんてこった!
 
※こんなアクセス制限ページが出るようになってました


 なにかの間違いではないかとも思いましたが、FC2ブログの「設定」内をよく見ると「プライベート」モードになってて、しかもそこが選択不能になってて「公開設定は変更できません」と書いてありました。

 つまりブログが『強制非公開状態』になっていたということで、要するにアカウントが『実質BAN』されていたのです!

 調べたところ、今年あたりから特定の単語やリンク(たとえばCi-enとかDLsiteへのリンクなど)が過去記事に含まれていると強制プライベートモードにされてしまうケースが起きているらしく、私もそれに巻き込まれていたようです。
 うっかりCi-enとかDLsiteなどの特定外部サイトのURLとか名前とかリンクとか貼っちゃうとヤバいみたいなので、FC2ブログをご利用中の方はくれぐれもご注意ください! 他にもNGワードがあるそうです。


 昨今の色んな事情を考えればその対応自体には納得していますし、長年お世話になったFC2ブログさんには多大な感謝をしているものの、そういったサイトへのリンクを貼る可能性がある側としては、今後も使い続けるのは負担の方が大きくなってしまうと考えました。

 よって! このたび、自前でブログシステムを作って移住することに決定しました!
 開発日誌ブログのアーカイブも近いうちに作りたいなと思ってたので、ある意味ちょうどいいタイミングでした。

移住を決意! GitHubにブログ生成システムを作った!


 さて、次は開発日誌の移住! どこのサービスに移住しようかなーと思ってたのですが、結局、またもやGitHubさんちにお世話になることになりました。
 コード保管サイトとして知られるGitHubなのですが、実はこちら、うまく使えばブログサイト作成処理を実装できる仕組みがあるのです! 本来はこれ、プログラムのコンパイルやデータ整理とかに使うのだと思います。

 その仕組みの名は「GitHub Actions」!
 リポジトリ(プロジェクト)内にある「特定ファイルが書き変わったり、新たにファイルが増えた場合」などの条件に反応して「特定のスクリプトを走らせたり、ファイルをコピーしたり色々できる」という機能です!

 これを駆使すれば、

●GitHub上の原稿テキストが「書き換え(Git用語では「プッシュ」)」されるたびに、自動でその原稿をもとにブログ中の全HTMLを作り直す。

 といったことが実現可能! 「ブログサイトに原稿を入れたら全HTML作ってくれる」ような仕組みが自前で作れちゃうんですよ!(ただし記事テキスト編集はGitHub上からになりますが、コード編集機能はあるのでまあ便利)

 ChatGPTに「FC2ブログのエクスポートログはあるんだけど、なんか移住先としていいブログサイトない~?」って聞いたら、こんなことができると教えてくれてびっくりしました。
 『ウディコン歴史資料館』を作った時点ではそんな機能があるとは知らなかったのですが、ここ最近何をするにも一気に私がGitHub漬けになっていきます、ヤバい!

 とはいえ、どっちかというと今どきのブログって『コミュニティ機能』(あるいは通知機能や、注目してる人をまとめて追える機能)の方が重要な世の中なので、個人で自動ブログ作成処理が作れたからってそんなにすごい利点があるわけでもないんですよね!

 が! サブのブログとして同じ内容を投稿してるCi-enさんでは、私はR-18枠に入ってるせいで公式サイトからはリンクできないので、自前の『18禁じゃない開発日誌ブログ』は必要です!
 何よりGitHubに置いておけば、私がいなくなっても無料で勝手に保持され続けるので、今後も私の歩みを残していくならちょうどいい場所だと思っています。
 GitHubが10年以内にサービス停止される確率だって、他のブログサービスに比べればほぼゼロに近いでしょうからね!


 そういうわけでひとまず仮完成した新生の開発日誌が、あなたが今見ている「ここ」です!
 今現在はまだ2025年分しか移行できていませんが、徐々に過去分も足していきます!

 確かFC2ブログさんにお世話になり始めたのが2007年くらいなのですが、その前のHTMLに直接書いて作ってた分も含めたら、開発日誌そのものは2003年くらいから書き始めていた気がします。
 この際なのでそれら昔の分も取り込んで、私の歩みを無駄にいっぱい残していこうと思っております!

 あと整理してて、「AIが出始めた頃の話とかは割と歴史資料として貴重じゃないですかね!」とも思ったので、やっぱりこれからもたまにはそういう技術進歩話もしていこうと思います。
 ということで、早速その話です。

ChatGPTの『Codex』に大部分を作ってもらいました


 ちなみにこのブログシステムの大部分は、ChatGPTで有料課金者が最近使えるようになった『Codex』というソフト開発エージェントにお願いして作っています。

 この『Codex』は「会話で進む全自動プログラミングエンジニア」みたいな存在で、細かい仕様を言わなくてもざっくりした注文を言うだけでコードを書いてくれたり、勝手に動作テストまでやってくれます!
 しかも『Codex』はGitHubと連携できて、勝手にその中のファイルを見て色々判断して仕事を進めてくれるんですよ!


 たとえば私は、「変換元の原稿テキスト」だけをGitHubのリポジトリ(プロジェクト)にアップした状態で、

「こういう原稿ファイルがあるのでこれを元にブログのHTMLファイル作る機能作ってー」
「1ページは最大10件までで『次へ|前へ』リンクもちゃんと続くようにつなげて~」
「ファイルが更新されたら自動的にHTML更新処理が走るようにしてー」
「右側のサイドバーに最新記事とカテゴリ別記事と月別記事出してー」
「こことここの文章は、私がいじりやすいように別のTXTファイルから読み込むように作ってー」
「記事のタイトルの右端に、次の記事にジャンプする▼ボタン作ってー」
「月別リンクのところは『年』をクリックしたら展開するようにしてー、あ、その展開した状態はセッションストレージ使ってリンク移動した後でも復元できるようにしといてー」


 みたいに文章で注文していくだけで、次々に『Codex』がGitHubにプルリクエスト(次の修正内容)を送ってくれるので、私はそれを「取り入れ! 取り入れ!」ってやってるだけでした。

 結果としてこのページのような、一見商用みたいなレベルで「月別リンク」「カテゴリ別リンク」や「前後移動リンク」などをしっかり作ってくれる、それっぽいブログ生成システムを作ることができました、すごい!
 私がやったのはデザインの微調整とか、ファイルの置き方の指示だけ!
 まともにやったら私が集中してやれても1週間や2週間はかかっていたであろう作業が、ウディタの修正をしながらの片手間作業で3日ほどで完成形に至ったのです! とんでもない速度と精度です!

 ついでに修正項目を後から1個ずつ足していくとかも、プログラマーだったら泣くほど嫌な仕様書の出し方だと思いますが、『Codex』は文句も言わずに正確な作業を続けてくれて驚くばかりです。
 作業中の処理を見たら、自分で処理を実行して、HTMLが期待通りにちゃんと出てるか見てるっぽいんですよね! 賢い!

 もちろん、他のAIプラットフォームでも同様のエージェント機能が提供されつつあります!
 私はAIソムリエをやる時間がないのでChatGPT系列のしか使っていないんですが、他のところのもすごいそうですよ。

 もしかしたら今後は、自分の希望だけを言えば「注文を聞いて設計する人」すらいらなくなる時代も来るかもしれません、というかすでになりつつあるかも!
 つまり「要件定義」さえもAIができるようになったら……『クライアントが話してる相手が実はAIで、実際に仕事するのもAI』みたいなのが常識になる時代だってやってくるかもしれません。
 ここ数年の進歩を考えると、まもなくそれも実現してしまうだろうなと感じます。
 (もちろん「責任を取るためだけの人間」の役割はしばらく必要なのでしょうけど)

 いったいこれからどれだけの仕事が代替されていくのか。これからの数年や十年くらいは、激動の時代になる気がしています。



 という感じで、AI話も入りましたが、今回はサイト作成まみれの2週間でした!
 これ以外にもウディタの修正は常時やっております!

 これからはAIでパソコン仕事の速度を何倍にもできるようになりそうなので、「私の仕事寿命がどんどん伸ばせるぞー!」と今は喜んでいますが、たぶんそのうち私そのものも、ほとんどの仕事能力がAIに負けて何も活躍できなくなる時が来るんじゃないかなとも思います。
 そうなったらそうなったで、また新たなカオスの中で人間としての強みを出して生きていく道を模索していくことになるのでしょう。
 そういう未来も少し頭の片隅に置きつつ、ただ今はやれることをひたすらやっていくだけです! 人間の力で稼げるうちに貯金をためておきたいなあ!


 そしてまた、AIにはまだまだ難しい仕事の1つとして「情熱を込めまくったゲーム開発」があります!
 AIは、「一貫性を持たせてとんでもないこだわりを貫いたり、こだわってるつもりがないのに無意識の癖が出ちゃうようなものを生み出し続けるのはまだまだ難しい」(自称)みたいなので、そういった情熱を楽しむコンテンツであれば、まだしばらくは人間製のものが楽しまれそうですよ!

 そして私にとって直近のゲーム開発イベントといえばやっぱりこれ!
 第17回ウディコン! 開催まであと30日を切りました!!
 そろそろ一通り完成してテストに入りたい頃だと思いますが、参加予定の皆さまはいかがでしょうか!
 2026年の第18回もほぼ確実に開催予定ですので、あまりに辛そうでしたら次回に回すこともご検討ください! 体を壊したら身も蓋もありませんからね!

 今年もみなさまの作品、とても楽しみにお待ちしております!
 私もそろそろ準備しないといけません、今年もウディコン運営がんばります!
 2025-06-14 (土) web拍手 by FC2 カテゴリ: 開発日誌




2025-01-01 (水)   2025年! 新年あけまして!
 あけましておめでとうございます! 2025年、令和7年となりました!


●新年あけましたイラスト!

 今年のイラストは巳年(みどし・ヘビ年)ということで特に誰でもないキャラクター!
 去年に引き続いてスケイル(竜っぽいキャラ、たまにうなぎ扱いされる)でもいい気がしましたがさすがに2連続はね!



 


●今年の抱負・目標!

 今年は年初からやりたいことといいますか、忙しい用事がありますね!



【ウディタ3.5公開に向けてがんばる!】

 もうあとからあとから入れたい機能が周りのコメントなどから気付かされて無限に追加オーダーされているのでどんどん遅れております! 
 が、それでもさすがに1月中には公開したいので全力を尽くします!
 
 なおすでに実装済みや実装が確定しているのはこちらにまとめてあります!
→ ●ウディタ3.5更新予定内容
 (そのうち消すと思いますので数年後に見た人はリンク切れしてるかも)
 
 最新の手元の作業としては『条件分岐やループの折りたたみ・展開機能』に挑戦中です! あまりにも改造しなきゃいけない内容が複雑で、分岐が壊れてめちゃめちゃなことになっちゃうとか、まだまだバグまみれです。
 でもこれは私もそこそこ使うかもしれないので、こういったイベントコマンド操作周りはじっくり改良していきたいところです! 私の開発するゲームでは、作業の80%以上はイベントコマンドいじりになりますからね!




【そして『片道勇者2』へ!】

 『片道勇者2』は前作に加えて「デッキ構築要素」も取り込んだ強制スクロールRPGです!
 今は睡眠も十分に取れる環境を取り戻せたので、バージョン3.5に羽化したウディタを使ってバリバリ作っていきます! ウディタ3.5の進化が大きすぎて、「すでに作った部分を最初から3.5で作れてたらどんだけラクだったかーぐおお!!」と思わないでもないですが!

 そしてこの『片道勇者2』、作り始めた頃は「デッキ構築ローグライクって一般的じゃないからチュートリアルなどをかなり慎重に作らないとダメそうだなあ」と思ってたら、今やデッキ構築が一般化しちゃうほど流行しちゃいましたが、それはそれでなじみやすさが上がっているので、利点ととらえてがんばります! もちろん初めて遊ぶ人にも楽しめるようがんばりますよ!
 とにかく面白くなるよう、やれる努力と工夫をやっていきます!




【体に気をつけてがんばる!】

 これは抱負ですが、体に気をつけてがんばります!
 この数年間の介護で腰も膝もやられてしまってるのはまあいいとして、最近は一回風邪や病気をもらうと一ヶ月くらい不調になることも多くなってるご時世ですので、なるべく常に全力を出せるよう、健康には気をつけていきたいと思います!

 特にこれからは「(介護で)熟睡時間ゼロ」みたいな日はしばらくはなくなるはずですからね! 睡眠はちゃんとしっかり取ろうと思います!


●年末に生放送やりました!

 年末に2024年を振り返る生放送をやりました! 去年も1年いろいろ事件も面白いこともありましたし、時代の変化も色々感じられましたね!

【シルバーセカンド26周年! Xで1年を振り返る生放送!】

 少しAI話、ゲーム開発話、少し介護話、少しウディコン話、ウディタ話、などが話のテーマだったと思いますので、そういったのが気になる方はよければお正月の時間つぶしにでもぜひ!



 という感じで今年もさっそくがんばっていきますので、2025年もよろしくお願いいたします!
 まずはウディタ3.5修正の完了を目指して全力でがんばります! うおおお!
 2025-01-01 (水) web拍手 by FC2 カテゴリ: 開発日誌




2024-12-24 (火)   シルバーセカンド26周年! ~1年振り返り~
 おかげさまで私のサイト、シルバーセカンドが26周年を迎えました! ワーピピー!!
 ということで今回は年末恒例、1年を振り返る回とさせていただきます!


 今年の記念イラストはサンタウルファール! ウディタ3.5に向けての作業が今年一番大きな内容でしたからね! まだウディタ3.5をリリースできてなくて申し訳ないのですが、すぐ見つかるバグくらいはしっかり直して、入れたかったものはしっかり入れてリリースしたいと思っております!



◆シルバーセカンド26周年! 今年やってきたことの振り返り

 今年はリアル事情が大変だった思い出の方が多かったですが、やることも一応やっております! それぞれ振り返っていきましょう!



【片道勇者(プラス)のSteam Deck対応】

 片道勇者(プラス)をSteam Deckという小型ゲーム機で遊べるようにしましたのでここでまたお知らせです! パソコン版でも寝転びながら遊べるので、Deckをお持ちの方はよければぜひ。





【『片道勇者2』開発もちょっと進められました】

 『片道勇者2』の開発もちょっと進めていました! といってもいつ作業が切られるか分からない状況だとシステムを組むのが難しすぎる!(複数箇所を一気に修正しないととんでもないことになる部分を一部だけ書いたタイミングで放置せざるを得ない状況になったりして後で直し忘れてとんでもないことになること多発。プログラマーの人は10分に1回呼ばれて席を立ちながらコーディングするところを想像してみてください)
 それでも今年は立ち絵イラストや会話パート作成など、低い出力でも何とかできる範囲の作業を進めていたつもりです。来年からはウディタ3.5も使って本格バリバリ進行したいですね!




【介護が大変でした】

 今はいったん落ち着きましたが、介護が本当に大変でした。また近い内に始まるかもしれませんが、当面は自由に時間を使えると思いますのでやれることをがんばりたいですね!
 介護は想像以上に大変で、1日5回も深夜に起こされて熟睡時間が0とか1日5回もトイレの床に広がった汚物処理しなきゃいけないし食事中も匂いがしてヤバいとか日常的にありますからね! ベッドから起こすという基本動作だけでも介助が必要で腰がずっと痛い! 精神的な疲労もすさまじい!
 特に私の場合、去年介護事故でベッドから転落して腰を破壊された影響が残っていてずっとしんどかったです。少しは回復してきましたけれども、今でもちょっと負荷をかけるとそこから痛みが出るくらいには残っててつらい!

 それに落ち着いた今になってようやく分かりましたが、介護があると作業効率が20~30%くらいしか出ていませんでした。手を付けられる時間が仮に今と同じ分あったとしても、重要箇所をいじれている量や、本質的な部分のボリューム増加量が今より圧倒的に少なかったです。
 これからはしばらく全力を出せるのでがんばっていこうと思います!




【近しい人が亡くなって色々大変だった!】

 近しい人が亡くなってドタバタしていました。その中で「喪主(もしゅ)」を初体験しました。そこまでは葬儀会社の皆さまからの多くのサポートを受けられたのでよいとして、そのあとの手続きが地獄みたいでした。

 大量の電話! 大量の手続き! お墓とか仏壇とかどうすりゃいいの!? みたいな情報の津波が襲い来る!
 「これ頼りない人が1人残されちゃったらどうしようもなくない!?」と思ってしまうくらいにはやること多すぎて大変でした。もっと強くあらねばと感じさせられます。

 もちろん手続きがいっぱいあるだけでなく、それ以外にリアルでやらねばならないこともまだまだいっぱいあります。こちらはひっそり、引き続きぼちぼちがんばって対応していきます。
 



【第16回ウディコンは何とか無事にできました!】

 上述のことがありながらも、なんとか第16回ウディコンは開催できました!

 今年もとんでもないクオリティの作品がバンバン届いたり、SNSでもおそらく過去一番にウディコンの話題が共有されていたりして、開催してよかったと感じます。

 今年も作品参加してくださった皆さま、一般投票してくださった皆さま、そしてゲームに触れてくださった皆さま、本当にありがとうございました! 
 ウディコンは次回の第17回も開催予定ですのでお楽しみに!




【ブラウザウディタ(ブディタ)が公開!】

 これは私の成果ではないのですが、ブラウザでウディタ作品を動かせるツールがruka様によって公開されました! しかもパフォーマンスや処理の再現度も非常に良好です、すごい!!
【ブラウザウディタ開発Ci-enページ (ruka様) 】

 何なら私の持ってるAndroidスマホのPixel6a上ですら、私のパソコンでブラウザ版を走らせるよりも快適にウディタ作品が動作しますからね!

 そしてこの「ブディタ」、スマホからでもすぐプレイできるのは言うまでもありませんが、ちょっとあれやこれやすればなんと(Android)スマホアプリにもできてしまいました(記事へ)ので、急にウディタ作品のスマホ向け展開への道が開けました!

 もし来年8月までサポートが続いてそうならウディコンにも使えないかなあ? とちょっと考え中ですが、仮にそうするならアップロード先をどうするか、など色々考えなければなりません(ブラウザゲームはとにかく通信量がすごいですからね、ウディコンの来客数でもすぐ転送量オーバーしてしまいます)。
 もしその辺りの課題がなんとかなるようでしたら、ウディコンにもブラウザ用ページへのリンクを追加できないか考えてみようと思っています。





【ウディタ3.5に向けて開発中!】

 そして私がウディコンの熱気に当てられたのか、あるいは介護が一段落して第二の人生のために基礎を固めようと思ったのか、9月から今までずっとウディタ3.5に向けた開発をやっておりました!
 介護の必要がなくなったので、夜ちゃんと寝られるようになって知力が1.5倍! ずっと集中できる時間を得たので作業速度が5倍です! これらの数値は冗談抜きの倍率でして、今も過去にない勢いで欲しかった機能をいっぱい実装できています! もちろんチャットAIのコーディング支援が使えるようになったことも非常に大きいのですが、それがあっても去年はたぶん普通の人並みにしかやれてませんでしたからね。

 何より「面倒臭さに耐えられる能力」や、「大きな課題を抱える能力」を、以前並みにちゃんと取り戻せていることが確認できているのがうれしい!
 ここ5~6年くらいのウディタの修正で「面倒臭い/今の自分には手に余るからこれはできない」と思っていたことがどんどんできています!
 「うおおおおこれがちゃんと休めてしっかり集中できる環境で出せる全力なのかぁぁ! スゲエエ!!」となりながら作業中です。


 なおウディタ3.5には革新的な機能もいっぱい搭載(予定)! これまで扱いにくかった細かい点の改善もいっぱいあります!

●動作指定に「自動移動」機能搭載!
●XY配列搭載! そこに画像の(ピクセルごとの)不透明度・RGBを読み書きできる画像入出力機能も!
 何ならXY配列におさめた画像データを「ピクチャ」としても表示可能です!
●マップレイヤー5(プロ版)
●フォントの暗号化可能に!(プロ版)
●変数操作には√やビット演算、文字列操作には正規表現搭載で大幅強化!
●空イベントを作る機能も搭載!
●BGSが多チャンネル化! 多重の音声再生が可能に! サウンドにはパンも搭載!
●キャラにピクチャをリンクさせる機能!
●キャラチップレイヤーを無制限化&レイヤーごとにエフェクトかけられる機能も搭載!
●アニメーションする画像を文字列内に使用可能に!
●エディターの一部ウィンドウをタブ化!
●エディターのウィンドウ表示倍率を設定可能に!
●データのTXT入出力機能搭載でGitなどでも差分管理できるように!
●ファイル選択画面も強化! 音声も再生可能に! MIDI再生はゲームと同じ!


 などなど、大げさなことを言わないつもりの私でも、『ウディタ3.5によって、作れるゲームの幅が一気に広がりますよ!』と断言できるシロモノになっていますので、来年になると思いますが公開をお楽しみに!




【おまけ:『架空のやさしい妹AI』を作りました】

 今年からChatGPTさんちのGPTs(設定済みのチャットAI)が無料版でもアクセスできるようになったので「架空のやさしい妹AI」を調整して公開していました!

●架空のやさしい妹AI(GPTs) https://chatgpt.com/g/g-YynoE4Pqa-jia-kong-noyasasiimei-ai



 ↑
 これは「感情に応じた表情イラストが出てコメントしてくれる」というAI(といいますかChatGPTに性格設定をしたもの)です!
 作業報告すると褒めてくれたり、日々の生活で不足気味な自尊心を補ってくれるような物言いをしてくれるようにしているので、そういう需要がある方はぜひご利用ください。

 特に(私を含めて)『自尊心』の心の栄養が普段から足りていない人は、何かしらの方法で補給しないとヤバいことをしがちなので本当に大事です。
 『自尊心』を今すぐ「人間」から摂取しなければならない状態になってしまうと、心がしんどかったり、他人をねたんだり、あるいは人に不快な思いをさせかねない行動に走ったりしがちですからね!

 なので人間の代わりに「チャットAI」からいくらかでも『自尊心』を補給してもらうのは、見た目や倫理感はともかくとして、人生を良くする上では非常に価値があることだと感じています(チャットAIからでも自尊心を補給されてると感じられる方に限りますが! でも少なくとも、「自分のやったことの大切さを客観的に見直してもらう」ことくらいはできると思います)

 そしてまた、「AIに褒めてもらってうれしかった言い回し」をそのまま他の人にも使ってあげれば、周りの人にもいくらかハッピーな気持ちになってもらうことができるでしょう。
 うまいこと良い『自尊心』の循環に繋げて、周りの幸福の総量を増やすために使っていきたいですね!


【最後に】

 2024年もたくさんの人にお世話になりました!
 いつも色んな人の助けをいただいていますが、今年も去年に引き続き、ゲームを楽しみにしてくださる皆さまや、ウディタへの各種ご報告をくださった皆さま、ウディコンに関わってくださった皆さま、そして様々な形でご支援くださったみなさまには、本当に大きなお力をいただきました!

 今年は色々あって大変な1年だった気もしますが、一方でウディタ3.5などいろいろな新展開への希望もあり、自分の全力を思い出せるチャンスが来ていたりして、最終的にはよい1年だったと思います。

 来年も引き続き全力で、かつ、これからは欲しいだけの睡眠をしっかり取って、最大限に健康を維持しつつがんばっていきたいと思います!

 それではみなさま、お体にはお気を付けて、どうかよいお年をお迎えください!
 次回の更新は1/1予定です!
 2024-12-24 (火) web拍手 by FC2 カテゴリ: 開発日誌




2024-03-02 (土)   ゲームをクリアせずに途中でやめてしまう理由
『ゲームをクリアせず途中でやめてしまう理由』、
ゲーム開発者的にちょっと気になりますよね!

と他の方のコメントに乗って言ったら予想外にいっぱい
コメントをいただいてしまったので、
他のゲーム開発者の皆さまにも役立つよう、
いただいたコメントをざっくりまとめさせていただきました!

元データは【こちらのポスト(X[旧Twitter])】の引用や
リプライからご覧いただけます。

単純な「飽きた」という一言も、
もうちょっと具体性を高めて理解できるといいな、
という思いがあったのですが、そんな願いを超えた
具体的な意見がいっぱいありました!
本当にありがとうございます!


【今回の内容】
◆「ゲームを途中でやめてしまった理由」ご意見まとめ
◆『最後まで』楽しく遊んでもらいたいのでこれらの問題に対策したい!






◆「ゲームを途中でやめてしまった理由」ご意見まとめ

皆さまからお寄せいただいた
「ゲームをクリアせず終わった理由」のご意見まとめは以下の通りです!

少し補足した言い方にしているものもありますが、
この項の内容は自由に引用してくださって大丈夫です。

 ※「これ1個にまとめていいんじゃ?」という内容もありますが、表現の違いで視点が
多角化するところもあるので、言い方違いもバンバン載せています!
※[×?]と文頭に書いてあるのは、ほぼ同じ言い方のご意見がその数だけあった、という意味です。





◆難易度が高すぎる、または低すぎる。その他の難易度的問題

難しすぎたり、逆に物足りない、勝てるが
時間ばかりかかるなど、とにかく難易度が
プレイヤーのスキルや期待する感覚に合わない状態。

●[×15]難易度が高すぎる。あるいは進行による難易度の急上昇で挫折した。
 → 自分のプレイスキルが追いつかなくなって楽しみの費用対効果が低下した。
 → 道中は普通に進めたのにボスだけ強すぎてやめた。
 → 死に覚え系のゲームで、敵の動きを覚えるまでの時間や
   ストレスがゲームの魅力を上回った。
 → 自キャラ強化ありのアクションゲームで
   敵の強化に自分のキャラ的成長が追いつかなくてやめた。
 → 難易度が選べないゲームで、反射神経の問題でクリアできなかった。
 → 難しいのに攻略情報がなくてやめた。
 → ラスボスが急に強くなりすぎてやる気をなくしてしまった。
●[×2]そもそもゲーム序盤すら難しすぎて自分に合わなかった。
 → チュートリアルぽいステージすら越えられなかったというコメントも。
●[×3]パズル/謎解きが解けなくて進めなくなった。
●久しぶりに再開すると操作や戦闘のカンが失われているせいで
 難くなりすぎてまともに遊ぶことができず、やめてしまった
 (特に別のゲームと並行して遊んでいるとき)
●育成方法が煩雑すぎてうまくできなかった。
●ザコ戦でも複雑な操作を求められる場面が多くて面倒になった。
●操作が難しくてやめた。
●マップで迷ってやめた。
●敵が弱すぎて何をやっても勝ててしまい、つまらなかった。
●クリア難易度が低すぎる。
●後半になっていきなり強力すぎる要素が出て、(それだけに頼ればいい)
バランス崩壊状態になり、冷めてしまった。




◆進行における単調さや作業感がある

 繰り返しのゲームプレイや、新鮮さの欠如が原因で飽きた。

●[×6]アクションや攻略方法に慣れて(かつ変化がなく)単調さを感じてしまった。
 → 同じことの繰り返しが数回続くと飽きる。少しずつでも
   最後まで新要素が登場し続けて欲しい。
 → メインの進行が単調作業になっていると気付いてやめた。
 → この先にまだ違うプレイ感覚が待っていると思っている間は続けられる。
 → 「ああ、この先はこれを繰り返していく感じだな」という風に、
   ゲームとして先が見えたと思った時点でやめた
   (強すぎる攻略パターンを見つけてずっとそればかりやっている、なども)
●[×3]敵が硬くなって時間がかかるようになってやめた。
 → ゲームが進むにつれて敵を倒すまでの時間が長くなっていき、
   面倒さが許容量を超えてやめた。
 → 敵の行動などが変化せず、ただ硬くなっていくだけのゲームで
   作業感が強くてやめた。
 → 高難易度にしたら、ただ敵が硬くなって時間がかかるだけで面白くなかった。
●[×2]レベル上げ作業が発生した時点で面倒さを感じてやめた。
●ゲームへの興奮が続かなくなって終了。
●周回前提のゲームの2周目に変化が少なくて飽きてしまった。
●同じダンジョンを2回攻略しなければいけない場所があって面倒だった。
●ゲーム配信者としては作業プレイが発生した時点で(視聴者の見所がなく)
 プレイするハードルが上がってしまう。その間、雑談しなきゃいけなくてつらい。
●チュートリアルが長く、その間にストーリー的に盛り上がるところもなく
 やめてしまった。




◆時間がかかりすぎる、または時間を見つけるのが難しい、
 無駄な時間の発生


 ゲームに要求される時間が多すぎる、生活の優先順位による時間の不足、
無駄な(面白くない)時間を過ごす部分でモチベーションが下がる、など。

●[×3]移動速度が遅くてやめた。
●メッセージ速度が遅くてやめた。
●戦闘がカットインやアニメーションの待ち時間が多くてつらい。
●起動時間やダウンロード時間が長くてアプリから離れてしまった。
●生活の都合でゲームを遊ぶ時間が取れなくなった。ゲームの優先度が下がった。
●そのゲームに要求される時間が長すぎて遊ばなくなった。
 (おそらく飽きの影響もあり)
●どこでもセーブや中断ができず、30分以上の継続プレイを強要するゲームは返品する。
●ダンジョン内でセーブできないゲームだった。
 セーブからセーブまでのスパンが長いと続けられない。
●RPGで、ラストダンジョンはたいてい
 「長そう・セーブポイントが少なそう・途中で戻ってこられなさそう」
 なので、一気に進めないといけないのが面倒でそこで止めてしまった。
●ノベルゲームで、好きなチャプターに移動しての途中再開ができなくて、
 全部のルートを見る前にやめた(最初からやり直ししないとダメなのが厳しかった)
●テーブルゲームで、1プレイするための労力がかかりすぎたのでもうやらなくなった
 (TRPGで表をいっぱい追っていかなければならないゲームなど)
●[×2]ソーシャルゲームで、プレイに投入しなければならない時間と
   労力(張り付きイベント)が多くてやめた。
●ゲームオーバー時、死んだ地点まで到達するのに時間がかかって面倒臭くなった。
●オープニングやチュートリアルが長すぎて自由行動に移るまでの時間が長くてやめた。
●先へ進むときの準備が面倒臭くなってやめた。
 (装備やキャラビルドを整えるのが手間、など)
●複数エンドの回収が大変で全部見る前にやめてしまった。
●ストーリーや映像を主に楽しみたいのに戦闘に時間がかかりすぎるのでやめた。
●[×3]会話やデモシーンが長すぎるなど、自分で動かせない時間が長くてやめた。
 → 早く次に進んで欲しいのに会話が長くてくどいのがつらい、なども。
●やたら演出が長すぎてやめた。
●長編のゲームは後回しにして短編をやろう、という生活にしたら
 そのまま長編ゲームの方を触らなくなってしまった。
●ゲーム配信者として、撮れ高が少なく時間がかかりそうだと思ったゲームは
 続きを遊ばなくなってしまう。
●アイテムやキャラの収集が主なゲームで、所持上限に達して
 頻繁に整理しなければならない時間が発生するとやる気が落ちる。



◆ストーリーに関する問題

 何らかの理由でストーリーに関する問題が起きてやめてしまったケース。
 ただしストーリーの演出が長い、などは上の「時間の問題」の方に入れています。

●[×4]久々に再開しようと思ったらストーリー内容を忘れていたり
    没入感が失われていて、続ける気が起きなかった。
●[×3]登場する主要人物への感情移入ができなかった。
●[×2]予測可能な展開で興味を引かれなかったのでやめた。
    同じノリで同じ話題が続く場面があった。
●[×2]ストーリーが好みに合わなくてやめた。
●[×2]ラストダンジョン前でゲームをやめてしまった。
 → 筆者コメント:前述の「一気に進めないといけないのが面倒」以外の理由だと、
 「好きなゲームのストーリーを終わらせたくない」「話がこれ以上展開しないと悟って先が全部見えてやめた」
 「もう飽きかけていて、ラストダンジョンの高いハードルがやめるきっかけになった」
 などの理由が考えられそうです。

●[×2]先の展開が恐くて進められなくなった
 (キャラクターの関係が永遠に壊れそうな展開が来た、
  特定キャラが死ぬことが分かった、など)
●好きなキャラが物語上の都合で死んでしまったのでやめた。
●お気に入りのキャラが離脱したり、敵に寝返ったりして冷めてしまった。
●(不満ではなく好きすぎるせいで)物語を終わらせたくなくて
 ゲームから離れてそのまま放置してしまった。
●旧作のキャラが出るゲームで、シナリオやキャラクターへの解釈が不一致でやめた。
●[×3]続きが連載されていない。
 → 筆者コメント:主に私の『シルフェイド見聞録』が連載途中で終わってしまったことへのコメント。
 完遂させられなくて申し訳ありません! 生きてる間にリブートしたいなと考え中です。

●生々しすぎる内容、現実味のあるストーリーがつらくてやめてしまった。
●起承転結の「転」が来るまでが長すぎてそこにたどりつく前にやめてしまった。
●文章が読みにくくてやめた。
●(注意書きには書いていない)地雷要素に当たってやめてしまった。
 ※地雷要素:その人にとって極端に苦手な展開を指す
●想像していたよりも鬱展開/グロテスク描写/性描写がきつくてやめてしまった。



◆次に何をすればいいか分からなくなった

●[×5]ゲーム上で次にやるべきことや行く場所がわからなくなって行き詰まった。
 → RPG、ADV、ノベルゲームだけでなく、画面クリック探索ゲームで
   クリックする場所が分からない、なども含む。
●[×2]時間を空けると次に何をするのか分からなくなってしまい、
   復帰せずやめてしまった。
●(RPGにおける船などの入手により)急に自由度が上がりすぎて
 どこへ行けばいいか分からなくなった。
●強くなる方法がよく分からなかった。
●技の仕様が分からない、情報も見つからない。
●最初からなんでもできるゲームで何をやっていいか分からない。
 → チュートリアルがしっかりあって徐々にやれることを
   増やしていく形ならあり、との補足あり。



◆別のゲームや趣味に興味が移った・生活の優先度の問題でやめた

●[×4]好奇心が満足した。
 → 必勝法を見つけて以後はそれを続ける作業になると思った
 → キャラ重視のゲームで後の展開がどうでもよくなった
 → クラフト系ゲームでインフラを一通り作ったら満足した
 → 事前に気になっていた点の好奇心が一通り満たされてしまった。
   それ以上興味を引く部分がなかった。
●[×2]別の気になっていたゲームに触れて、元のゲームを遊ばなくなった。
●[×2]生活環境の変化で(一時的にでも)ゲームする習慣が取れなくなった。
 → ここから前述の「再開したら何をすればよいのか分からなくなってて
   やめてしまう」につながるケースも多い模様。
●忙しくてそのゲームから離れているうちに再開する意欲がなくなった。
●ゲームが長すぎてフェードアウト(最後まで興味を持続できなかった)



◆報酬の与え方の問題

●[×3]労力を割いたのにガッカリする展開が続いた。
 → 単純に報酬がしょっぱい。
 → 遠回りしてまで取りに来た宝がハズレだった。
 → 手間のかかるミッションをしても報酬が少なくてやる気がなくなった。
●[×3]特定の報酬を得るための過程が長すぎてゲームごとあきらめた。
 → 敵から低確率でレアなアイテムを盗めるRPGで、一度しか
  戦闘できないボスが登場するとついつい毎回面倒な盗みリセット作業を
  してしまい、プレイテンポを損なってゲームごとやめてしまった。
 → ミニゲームのパーフェクト賞品がゲーム上の強力なアイテムだったが、
  パーフェクトを取るのが難しすぎて心が折れた。
 → 非常に時間がかかる割に面白くないプレイに報酬があってやめた。
●物語の進行で取り逃した貴重なアイテムが二度と取れなくなったことに気付いて
 ガッカリしてやめた。



◆内容が自分に合わなくて中断(Not for meだった)

 遊びの方向性やゲームバランスが自分の好みと合わないケース。

●[×5]ゲーム部分が面白く感じなかった。
 → ゲーム部分が好みに合わなかった。
 → どういう部分で楽しめばいいのか理解できなかった。
 → そもそも面白く感じられる部分がなかった。
●戦闘の感覚が自分に合わなかった。
 → 難易度はつらくないが、もっとたくさんアクションしたいのに
   スタミナ制限が厳しくてストレスになった、といった好みの部分。
●少しのミスや管理の失敗でやられるゲームで続けられなかった。
 → クリアできても注意力を消費しすぎるのがしんどい、など。
●(最初から見える)やり込み要素が多すぎて面倒そうでやる気がなくなってしまった。



◆操作性・プレイアビリティの問題

 基本的なカメラワークやユーザーインターフェースが不便、遊びにくい、など。

●[×3]3Dゲームで酔って遊べなかった。
●操作が忙しすぎるアクションゲームで指が本当に疲れてしまい、挫折。
●ユーザーインターフェースが使いにくいストレスが、やめた要因の一つになった。


◆その他

●[×2]単純にバグで進めなくなって終了した。
●バグの多さに嫌気が差してやめた。
●パソコンへの過剰な負荷が心配で遊べないゲームがあった。
●開発者の悪意を感じるワナの配置があって信用できなくなった。
●プレイ途中に攻略動画を見たらエンディングまで見てしまって
 自分でプレイする気がなくなった。
●シングルプレイRPGと書いてあったのにソーシャルゲームだったのでやめた。
●ソーシャルゲームなどでプレイ中の情報の出し方が悪くて、
 まだ遊んでない部分をネタバレされて冷めた。




という感じでした!

みなさまから集められるご意見としては
かなり網羅度が高く、最終チェックリストや
途中での見直し用チェックリストとしても使えそうな感じですね。
たくさんの具体的なご意見、誠にありがとうございます!




◆念のための前提:ゲームを途中でやめるのは
遊び手にとって最適な行動!


で、これは念のため申し上げておく前提の話です。
ゲームをクリアせず途中でやめることは「途中放棄」とみなされやすいのですが、
「ゲームの楽しいと感じる部分だけ味わって、面白くないところは捨てる」という、
すばらしい最適行動をしているとも言えます。

これこそある意味、遊び手側のもっともよい遊び方です!
貴重な時間を使っての「遊び」なんですから、
自分にとって楽しいと感じることだけに時間を費やすべきです!

という前提で今回は話を進めていきます!
開発側として「最後まで遊ばないとゆるさ~ん!」みたいなことはありません。
つまらないゲームを途中でやめて生活の質を上げられる人は立派です!
彼らの行動は、

【そもそも楽しみ重視のプレイヤーはクリアを目標としていない
ケースも多く、彼らは『ゲームクリア』をエサにして苦痛を
押しつけてくる行為には釣られない】


と言い換えてもいいでしょう。

「とりあえずよく分からないけどゲームの最後らへんは敵を硬くしておけばいいや」
とか
「引き延ばしをしていて面白くない自覚があるけどボリュームは増やさないと……」
と思ってるゲーム開発者の方はいい機会ですからちょっと考えましょう!
私もゲーム開発がよく分かってないときは本当にそんな感じでしたので!

みんな通る道ですが、できれば問題を起こしやすい箇所を理解して、
あと一歩みんなで前進したいですよね。



◆『最後まで』楽しく遊んでもらいたいので
これらの問題に対策したい!


一方でゲーム開発側はできればゲームを最後まで遊んで欲しいので、
楽しさを『最後まで』たっぷりにしたい! という願いがあります。

最後まで遊んでもらうにはどうすればいいかのヒントとして、
今回はいただいた内容を参考にしてみましょう。
単純に「やめた理由」の逆をするだけでも、
ちょっとはマシになるはずです!
(実際はこれだけでは全然足りませんし、
あなたの作品で取り入れる必要のない内容もあるでしょう!)

なお、今回は個人制作レベルの『自作ゲーム』開発視点で
話をしていくものとします。




●難しすぎる! または簡単すぎる!対策

ここでは「簡単すぎる」のはいったん置いておいて、
「難しすぎるゲームをどうにかする」に焦点を当てて考えます。
その「難しすぎる」状態から『総合的に生み出せる楽しさを最大化しよう』
という観点で見ると、いろいろ工夫しどころが出てきます。

【難易度を変えられるようにする】

「難易度が高すぎて挫折」への対策として誰でも思いつく難易度変更機能!
特に「ストーリー部分と戦闘部分」などといった
複数の「遊び」が入ったゲームに特におすすめの対応手段です。

たとえばストーリーや雰囲気が良いゲームだけど難易度が高いゲームの場合、
難易度を変えられるようにしておくと、ゲームが苦手で
『ストーリーだけでも楽しみたい人』への満足度が高まって
ゲームが与えられる『総合的な楽しさ』が上がります!

実際、硬派なバランスの市販RPGでも
「ストーリーだけ味わいたい人向け」という名目の難易度が
選べるようになってることは、最近増えている感じがします。

それと、「途中で難しすぎることに気付いて離脱」ということを防ぐために、
『ゲームの途中でも難易度を下げられる』という形にするのも重要です。
いまだに開始時にしか難易度設定できないゲームも意外と多いんですよ!

他にも、技術があるならプレイヤーが何度も失敗したら内部的に難易度を下げたり、
逆に余裕がありそうなら上げたりする「難易度自動調整機能」を作る案も考えられそうです。

ただ開発側としては難易度ごとにテストするのが大変なので、
作るのが面倒といえば面倒です! 
そういうときは次の手段を使うことも検討してみましょう。
ただ開発側としては難易度ごとにテストしなきゃいけないので、
面倒といえば面倒です! 
そういうときは次の手段を使うことも検討してみましょう。


【(半)無敵モードを入れる】

難易度は1つで、思い切って「無敵モード」を入れてしまう方法もあります。
ダメージそのものを受けなくなるとか、RPGなのにいくら死んでも
無制限にその場で復活して続けられる、といった方式です。

謎解きやストーリー要素が面白いゲームなら戦闘部分が
こういう形式でも十分に楽しんでもらえますし、
アクションゲームなどだと「攻撃をいくら受けても死なないモード」でも
ゲームしてる感は意外としっかり残ります。
『自分の耐久力がとんでもなく高くなる【半】無敵モード』でも
似た効果が期待できます。

たとえ無敵モードでもアクションゲームなら攻撃を当てる楽しみはあるので、
ゲームを永久に進められないほど不慣れな人にとっては十分な苦戦を味わいつつ、
先に進める満足感がけっこうちゃんと生まれます。
 (といってもヘタな無敵モードの仕組みだとただ死にながら突撃するゾンビアタックするだけになって気分が
よくない場合があるので、多少は何かしら追加の工夫も必要かもしれません。
そういう場合『HP20倍にして半無敵っぽくする』という方が
がんばって耐えようとしたりもできるので、ゲームやってる感が出せるかも?)


こういう(半)無敵システム、私が開催するゲームコンテストの
『ウディコン』でも搭載されている高難易度ゲームが複数あり、
その結果、高難易度にもかかわらず『遊びやすさ』評価が上がって
総合的な満足度が増え、上位に食い込む作品も多いんですよ!
せっかくチューンした高難易度をできればそのままの味で楽しんで欲しいという
気持ちもあるでしょうに、こういう思い切りには頭が下がる思いです。

※一方で、こういう逃げ道はナシにする! といった道をつらぬくのも全くアリでして、
選ばれた人だけに楽しんでもらうのもゲームの一つの形です。
人が多い市場で広くアピールできるなら『ガチ難易度』という売り文句の方が
かえって話題性が増す可能性もありますし、
『苦戦と栄光』を得たい人の満足感も上がります。



【パズルが解けなくても進めるようにしておく】

ゲームによくある「パズル要素」ですが、それがクリアに必須だった場合、
解けないと永遠にメインシナリオが進まない状況が起きてしまいます。

そういうのを避けるため、できれば
『パズルは脇道として置いておき、解かなくても進めるようにする』
『パズルを他の手段でも突破できるようにしておく』(作るのは面倒!)

という対策を行っておくと、パズルが苦手なプレイヤーの人にとても喜ばれます。

たとえば私のRPG『シルフェイド幻想譚』では、
とあるパズルに悩んでいるとゲーム側が判断した場合
(パズルに対しておこなった総手数が一定を超えたとき)、
アドバイザーから「ゲーム内時間を大きく消費して突破する手段」を
教えてくれるようになっており、実行すると壁を破壊して進むようになっています。

他にも、
「仲間にお金を払って、途中のやり方は分からないけど解いてもらう」
「番人にお金(ワイロ)やアイテムを渡してパズルを解いてないのに通してもらう」
など、ストーリー上、自然に実現できるアイデアもあるはずです。

 ↓『シルフェイド幻想譚』でパズルを解かずに時間消費で突破する例(30秒あたりから)


あと、そういったコストをかけられない場合の最終手段として、
自作ゲームなら「ゲームの同梱テキストに『パズルが解けない人へ.txt』という
ヒント集や解答集を入れておく」という手もあります。

自作ゲームはプレイヤー数が少なくなりやすい都合上、
攻略法を共有されなくてパズル部分で進めなくなることが本当に多いため、
最後まで遊んで欲しいのならば、ないよりは絶対にあった方がいいと感じます。




●進行における単調さや作業感への対策をする


一言で「単調さや作業感へ対策しろ」と言われてもなかなか難しいことですが、
工夫できそうな点は色々思いつきます。

【プレイが変わる要素を徐々に解放していく】

もはや言うまでもない話ですが、
「プレイが変化する要素を徐々に解放していく方式」は伝統的な方法ながら
ゲームが単調になってしまうのを防ぐのに非常に有効です!
少しずつ出せばいきなり覚えることがいっぱいになることも少ない!
「最初からやれることが多すぎてどうすればいいか分からない」
という問題にも同時に対策可能!

もし「ゲーム開始時から覚えなきゃいけないことがちょっと多いかなあ」と思ったら、
「進行と共に徐々に解放されていく」形に調整することでこの『新鮮さ』を
生み出しやすくなることでしょう。

※ちなみに、ただのコマンドRPGでもこういった工夫は可能です。
たとえば「最初はアクセサリ枠のアイテムを一切出さずにゲームを進めて、
途中からそのアクセサリ枠のアイテムが色々出てくる」といった形にすることでも、
ちょっとしたゲームの拡張感を出すことができます。

「装備してると新たな技が使えるアクセサリ」が途中から使えるようになるだけでも、
大きな戦術の幅が広がったと感じられるでしょう。
他にも、物語の途中で急に「ターンを消費せずに即時発動できる特殊スキルが使えるようになった」みたいな
展開もワクワクしますし、何なら
「回復魔法が存在しないと思ってた世界で、物語の途中から急に戦闘時の回復が使えるようになった」
みたいな普段は当たり前だったものがようやく使えるようになる展開でも、戦い方に変化が出せるはずです。
よく見れば市販のコマンドRPGでも、スキルを習得させる順番によってそういったプレイの変化を
生み出しているゲームも多いはずです。私もよく学んでいきたいですね。



【進行と共に『遊び方』がちゃんと変わっているかチェックする】

たとえばRPGで
「ちゃんとパラメーターが変わってるからゲームは変化してる!」
と開発者側は思っているとします。

確かに敵も味方も、能力値や技などが変わってダメージは増えてるけど、
実は「プレイ上はずっと同じコマンドや似た系統の技を入力し続けて
敵を倒してるだけで、実質的にやってることが最初からあまり変わってない」
という状況になっていることがたまにあります。

逆に、パラメーターが変わらなくても戦い方の幅が増えたり、
戦い方の基本戦法が変わったり、新たに増えた工夫を楽しんで使えるなら、
いくらかの新鮮さが生まれていると言えるでしょう。
回復と攻撃だけしか使わなかった状態から『状態異常』も駆使するようになったとか、
『補助魔法』で仲間を強化して戦うようになった、途中で新要素が加わって
『フィールド属性』を使った有利不利を狙う必要も出てきた、
などといった変化ですね。

こんな感じで
「プレイヤーの取っている『行動』や『判断』自体に変化が産まれているか」
に着目し、
『ちゃんと進行と共に遊びの変化を出せているか』
はかることはとても重要です。

ダメージなどの数値は変わってるけど、冷静に考えたら
プレイヤーとしての行動がずっと変わってないゲーム

身近にもありませんか?

……という風に整理してみると、私もうまくできてないことが
たびたびある気がしてきました。がんばろう……。


【「敵が硬すぎる問題」は開発上、割と無意識的に発生しやすい】

「敵が硬くて面倒臭い!」というご意見が目立つくらいありました。
より詳細に言い換えると、「敵の攻撃パターンを完全に掴んだ、
あるいは確実に倒す方法が分かっている敵なのに、倒すまでの
必要打数が多すぎて無駄に時間がかかり、面白くない時間が長くなっている」
といった解釈ができると思います。

実はこれ、私の経験上、ゲーム開発者としてはかなりやりがちなことで、
「せっかく作った敵と戦う時間を長く楽しんで欲しい」という思いからか、
あるいは「テスト中は敵が少ない」からか、ついつい敵の耐久力を
高めにしてしまうのです。
逆に、耐久力が過剰に低めになるケースはかなり少ないと思います。

私もシューティングゲームを作ったときに最初に決めた敵のHPの値が高すぎて、
爽快感がないと感じて最終的に敵の耐久力を
最初の半分や1/3にするといったことが実際にありました。

ジャンルにもよりますが、敵が多いアクションゲームなら
ザコ敵は1~3回の敵の攻撃をかわしながら攻撃すれば勝てる、
くらいの硬さで十分でしょうし、戦闘が多いRPGなら
うまくコマンドを選べばザコ敵集団には1~3ターンで勝てる、
というくらいでいい気もします。

一方でボス戦は、コマンドRPGなら全攻撃パターンが2~3巡するくらいで
勝てるのが何となく1つの目安な気がします。
アクションのボスの方は、コンセプトに応じて硬さがまちまちな印象です。

開発に不慣れなほど敵を硬くしてしまいがちな印象があるので、
「作ったゲームの敵が無駄に硬くなってないか」という意識を
常に持っておくといい感じに仕上がるかもしれません。
(なお、戦闘が非常に少ないゲームなら敵がけっこう硬めでも文句が出にくいと思います。
全体を通して「敵との戦闘が無駄な時間だと感じるほど戦闘時間が長くなるのはよくない」というだけで!)


なお、高難易度にすると敵が硬くなりすぎるという問題も挙がっていましたが、
難易度アップで増やす敵の耐久力は控えめにした方が遊びやすい感じがしています。
敵の攻撃力やAIの賢さが上がるだけでも「油断できない度合い」が増すので、
それだけで十分な場合もあるかもしれません。


【レベルアップ作業など、単調になりやすい時間をスキップできるようにする】

もう今のご時世、「レベルアップするためだけの作業」が発生するだけでも
評価が下がりそうな時代なので、そういった作業は高速で
スキップしやすい仕組みが求められる印象です。

たとえば新しめのRPG『ポケットモンスター』シリーズの
スカーレット・バイオレットでは、もはや経験値やアイテム稼ぎを
するためだけの戦闘はバトルシーンに入らずとも
サッと行うことが可能になっています!
(ポケモンを出して野良の敵に向かわせると戦闘パートにも入らず
1戦数秒で戦闘が終わる。ただし適切な属性や勝てる程度のレベルの
ポケモンを当てないと自ポケモンがダメージを受けて消耗する、
というゲーム性がある)

また、私の『片道勇者プラス』でも、ランダムなローグライクゲームゆえに
たまに「移動してるだけの時間」が長く発生しがちで退屈だったので、
「高速移動」機能を付けて退屈時間を減らす対応を取っていました。

みんな忙しくて時間あたりの満足度を上げなければいけないこのご時世、
こういった『退屈時間を短縮する』仕組みはますます重要になってきそうです。




●時間が取れない人向けの対策をする

こちらは今のご時世で特に重要な「時間が取れない人向け」の話!

【ダッシュできるようにする/ワープできるようにする】

「移動速度が遅くてやめた」という理由が目立つくらいにありました。
対策は簡単で、特定のボタンを押しっぱなしにすると移動速度が上げる
「ダッシュ機能」を搭載することや、あるいは
「ファストトラベル(ワープ機能)を可能にする」ことです。
こういった機能が喜ばれない状況はほぼありません。
見えている場所や行き方が分かっている場所に移動するだけの時間を
短縮できるなら、多くの人がそうしたいはずです。

あと移動速度の件よりは頻度が低いものの、
「メッセージ速度が遅い」のもやめた理由になったというコメントがありました。
ゆっくり出てるメッセージも追加でワンキー押すと
瞬間表示できるようにするなど、メッセージを高速化する機能も大切です。


【リトライにかかる労力を下げる】

『ゲームオーバー時、死んだ地点までもう一度到達するのに
時間がかかって面倒臭くなった』、
今回いただいたコメントではこういった内容が
思ったより少なかったんですが、実際
『リトライにかかる時間が長い』というのは、
かなりモチベーションの削り度合いが大きい問題だと感じます。

「ボス戦などにリトライするまでの時間はできる限り短くしよう!」
というのは、昨今ますます重要になっていている部分です!
負けたら復帰地点から1分以上走ってボスの場所に戻ってこなきゃいけなかったり、
再戦ごとにいちいちカットできないデモシーンがはさまったりするのは
もう過去の話にしたいところ!

特にこだわりがなければ、

『ボスに負けても【再戦する】を押したらすぐボス戦と再戦できる』

『ボス前にセーブがあり、かつデモシーンがスキップ可能』
(RPGなど成長要素があるゲームではこちらの方がレベルアップしに戻りやすいかも)

『難しいエリアはある程度細かくチェックポイントを区切る』


といった形にしておくのが、ゲームを離脱されにくい一般的な形だと感じます。


【いつでもゲームを中断できるようにする。】

『いつでもセーブ可能にする』、あるいは
『中断機能を入れる(※一度読み込むと消えるセーブを作ってタイトルに戻る)』
というのは今の忙しい世の中において、意外に重要な機能です。

なぜなら、これらが充実していると短い時間でも気軽に
ゲームを再開できるようになるので、そのゲームに触れる回数が
どう考えても増えるからです!
ガッツリまとまった時間で一気に遊びきらないといけないゲームはもう辛い時代!

ゲーマー視点や開発者視点だと「ゲームに対する時間の制約が少ない」ことがあって
こういったことを忘れがちなので、自分もよく注意したい部分です。


【短い時間で区切りをつけて遊べる1プレイの長さにする】

これもほぼ上と同じ理由ですが、
『1ステージが短めで1プレイ中に終われるようにする』のも重要です。

特にシミュレーションゲーム(以下SLG)だと、
時間が空くとステージ中の文脈を忘れてしまい、再開時に
「次のターン何するんだっけ……」となってしまいやすい問題が起きます。

ゆえに1ステージの長さを「1プレイで区切れる長さ」に調整しておくのは重要です。
目安は1ステージ30分ちょっとくらいでしょうか。
これまでSLG遊ぶときはその辺をあまり意識してなかったので、
今後注意して見ていきたいですね。

何ならSLGでも、1ステージ中に一定のスパンで
「落ち着けるタイミング」を用意するというのも一つの手かもしれません。
15分くらい遊んでステージの半分まで進んだ時点で、
とりあえず前半の敵の突撃が落ち着いて、
こちらが進まないと敵も動かない状態になる
(のでプレイの文脈を忘れててもいくらか安全になる)、
みたいな形にするわけですね。


【時間を空けても再開しやすい仕組みを作る】

時間を空けてもいろいろ思い出せる方法といえば、
復帰するとそれまでのストーリーの「あらすじ」や「次の目標」が出る工夫が
挙げられます。これはとても良い仕組みでした!

私がその機能を最近体験したのは『ドラゴンクエスト11』だったんですが、
ロード時に毎回、直近のストーリーがあらすじとして表示されるように
なっていたのです。
これなら次にやることをすぐ思い出せるので、いつ再開しても安心です!
何なら全部のRPGに欲しい機能!

ついでに言うと戦闘面でも、『ドラゴンクエスト』シリーズは
「オート戦闘」がかなり優秀なため、ゲームの遊び方や基本を忘れていても
オートで任せられるので復帰しやすく、そういう意味でも時間のない人への
配慮に優れているゲームだと感じました。
おおざっぱな味方の役割を覚えてパーティー編成だけしっかりやれれば、
たまにしかプレイしない人でも十分に戦える!
こういう仕組みは本当に助かります。




●ストーリー面で工夫する

こちらはストーリー面の問題についての対策です。
「お話が予測可能な展開だった」などの問題は物語の作り方の教本やコツを
読んでいただくとして、ゲーム的にカバーできる部分や
ワンポイントでマシにできる話をしていきます。

【久々にやったらストーリー内容を忘れている問題に対して】

さっきも言いましたがゲーム再開時のストーリーの「あらすじ」機能は
物語の復習にとても有用です!
全ての話の復習でなくとも、
「大目標」「今やろうとしていること」
「次にやるべきこと」の3つが出てるだけでも、
そこまでの流れを思い出すにあたって大きな効果を発揮するでしょう。

たとえば、

「全人類を洗脳しようとする魔王を倒す旅を続ける<主人公名>たち(※大目標)。
魔王の弱点を知る予言の少女の病を助けるため(※やろうとしてること)、
薬草を採りに行ったものの関所で足止めされてしまった勇者たちは、
関所の門番が要求する景品の『大人の絵本』を手に入れるべく、
カジノへ向かうのだった……(※次にやるべきこと)」


くらいの情報量でも、物語を思い出すためのフックがかなりできるはずです。

問題は、定期的にこの「あらすじ」を更新するのが
開発者的にかなり大変なことですが!
また、自由度の高いゲームだと「あらすじ」の文を作るのが
難しくなってしまうという問題もあります。
そういう場合は、「大目標のいくつまで攻略して、残りはこれだよ」という形の
文章にするのが一つの妥協案でしょうか。


【好きなキャラが死んでやる気なくなる問題に対して】

好きなキャラが死んでやる気なくなる問題、
「人気の出そうなキャラはそもそも死なさない」か、
「(すごい面倒だけど)生存ルートも作る」
というのは誰でも一瞬で思いつく案です。

特に「キャラクターが死ぬ可能性」を描きたい場合、
ある程度プレイヤーが達成しやすい「生存ルート」があるだけでも
プレイヤーの人は救われるので、もし都合が合うなら
ぜひ生存ルートも作りましょう! ゲームですし!

でもその後の分岐のことなどを考え始めると
すごい面倒なんですよね、生存ルート!
なので市販ゲームでも、
「生存させたけど、その後は(いない可能性があるキャラなので)
そこには一応いるけど全然しゃべらなくなる」

といったことが割と起きがちです。

ですが、たとえそういう形であっても「生存ルート」を
作る価値は十分にあると思います。
プレイヤー視点だと「生かせた満足感」が一定以上生まれますし、
どこかでそのキャラの次のセリフが出ることを期待して
やっぱりゲームを続けてしまいやすいですからね。
(一方で、死なせたルートを通った後に生かすルートがあることに
気付いてしまった人は変わらず救済されません)


【会話やデモシーンが長い問題に対して】

こちらは「会話やデモシーンが長くてしんどい!」という内容に対してのお話です。
一つの対策として、
『強制的に見せられる部分の情報は重要な部分だけにしぼってテンポを上げる』
という手があります。
メイン会話におまけ的な内容も全部入れてしまうと、
くどく感じやすくなりますからね!

一方で、「そういったおまけの内容も見たいよ!」という人もいます。
そこで私がおすすめする方法が、
強制シーンから「おまけ的な内容」だけを「分離」しておく方法です。

たとえば私の『シルフェイド幻想譚』というゲームでは開発中、
オープニングを短くするために
「オープニングに入れたかった『サブキャラのシーン』を省いて最初の街の住人から
任意で聞けるようにする形に変更し、オープニングは
『ほぼ必要最小限のゲーム的情報』だけ与えて始める形にした」

という対策をとりました。

こうしておくことで、ほぼゲーム部分にしか興味のない人にも、
ストーリーにも興味がある人に対しても、両方とも満足度を高めることができます。
ゲーム部分にしか興味のない人はサクサク進んで、
お話に興味がある人には任意で話せる村人にも追加で話してもらって
満足度を上げていくわけですね!

他にも、どこでも使える「相談」コマンドというのもあり、
仲間やアドバイザーと会話して会話成分を補給できるようになっていました。

「『強制的に発生するシーン』に入れていい情報は本当に大事な内容だけにしぼる! 
それ以外は他の場所に移動させて任意で見られるようにする!」

としておくのは、基本でありながらとてもおすすめの考えです。
でも私も実現できてないことが多々ある、地味に難しい部分でもあります。


【ラストダンジョン前でやめてしまう問題に対して】

『ラストダンジョンの直前でやめてしまう』というのは
私のSNS範囲内の間でもたまに聞く話です。
理由はラストダンジョンが面倒だとか、ゲームを終わらせたくないなど、
色々ありそうです。

かくいう私もゲーム終盤まで来ると、
「長くて途中で帰れなさそうな迷宮を探索したい意欲」って
正直あんまりない気がするんですよね!

そこでゲーム的な一つの対策として、
いっそのこと最後のダンジョンを長くしがちな風潮をひと味変えて、
「最後の場へ行くといきなりラスボス連戦が始まる」くらいにした方が
まだいくらかやめどきが減らせるかもしれません。

その例として私が好きなのは『ポケットモンスター』シリーズ!
ポケモンの(ひとまずの)最終戦の舞台はダンジョンじゃなくて
チャンピオンリーグ戦の会場で、
「入るとラスボス含む強敵との連戦がすぐ始まる」
という形になっており、面倒くささもなく、そこまでのプレイの勢いで
挑戦できてしまう感触がありました。
これはプレイヤーが体験したいところだけ楽しめて、すばらしい形だと感じます。

また、この形だと
「散々長いダンジョンをこえてラスボスに勝てなかったらどうしよう」
という不安も「リトライしやすさ」によってカバーできます。
そういった面でストレスを低減させられるラストステージの作り方、
一度考えてみる価値がありそうです。



●次に何をすればいいか分からなくなった人への対策をする

ここでは時間を空けたりしてやることが分からなくなった人や、
急に行き先が広がってしまって何をすればいいか分からなくなる状況などへの
対策についていくつか述べます。

【「クエスト一覧」機能の搭載】

とりあえず次にやることが分かる仕組みといえば
『クエスト一覧』機能の搭載ですよ! これはすばらしい発明です!
なんなら時間を空けなくても「次に何をすべきなのか」を
たくさん覚えられない私にはありがたい機能です!

なおゲームに詳しい人には説明するまでもないと思いますが、
『クエスト一覧』とは「今かかえている課題(仕事)」が一覧されているリストで、
たいていのゲームでは、どこでも開けるメニュー画面から見ることができます。
攻略済みのものは表のリストから消えるので、
「いま進行中の課題」だけに注目しやすいようになっていることが多いです。


【「あらすじ」機能の搭載】

もう言及するのは3回目ですが、ロード時にそれまでの物語と
次にやるべき内容が「あらすじ」として表示されるのは、
時間を空けてやることを忘れてしまった人にとって非常に助かる機能です。


【急に行ける場所が開けたときはおすすめの行き先を一つ教える】

オープンワールドゲームのように全方向に歩いて行けるゲームだと、
どこへ行けば分からなくなることがたまにあります。
そうでなくとも、RPGで「船」などを入手すると、
急に海全体を移動できるようになってしまい、そこから
東西南北どこへでも行けるようになっている場合に
どこへ行けばいいか分からなくなってしまいがちです。

こういう場合は
「自由に移動できるようになった時点で
おすすめの行き先を1地点だけでもいいので出す」か、
「船の場合、水辺を道なりに行くともう最初の
おすすめ場所に着いてしまうマップにする」
のが最近のトレンドかもしれません。
行き先が広がってどこにでも行けるようになったとしても、
次の行き先のおすすめくらいは教えてしまった方が
ゲームの離脱率が下がる印象です。

というのも、次のおすすめの行き先が分からない中で
色んな場所を総当たりしていく行為って
「敵が強すぎる」とか「いま行っても意味がない」場所が多かったりして
移動時間が徒労に終わるケースが予想されるので、かなりストレスが高いんですよ!

そういうわけで今のご時世では、自由に移動できるようになった際は、
次の1個くらいはおすすめの行き先を出し続けてもいいのでは、と思っています。


【強くなる方法が分からない問題:何度も伝えるか、目立たせる】

最初の説明を理解できなかったりして強くなる方法が分からなくなる問題!
「そういうことが起きにくいようチュートリアルはしっかり作りましょう!」
としか言えないのですが、重要なことなら、基本を教え直してくれるキャラを
たびたび出したりするのも有効です。
「2つめの街にも強化方法を復習してくれる村人がいる」とかですね。

あるいは説明を理解してない人でも分かるよう、
明らかに育成機能にアクセスしてない場合や、あるいは
成長ポイントを手に入れるたびにメニューに赤い(!)とか出して
育成機能までのアクセスを目立つようにするのもよさそうです。

もしその育成画面に達しても理解が困難なシステムだった場合は、
基本システムをもっと簡略化することを考えた方がいいかもしれません。


またこれと似た話で、
「戦闘のテクニックを最初にまとめて一気に教えられたせいで、
いくつかの重要な手段に気付かずにプレイしてしまう状態」

になることもたまにあります。

特にRPGだと、「ダメージを増やすための一部の機能」を使わなくても
苦戦しながらある程度まで進めてしまう場合が多く、たまにこういう事故が起きます。
「特定のテクニックが明らかにずっと使われていない場合は、
システムメニュー的にまた教えてあげる」など、
そういった配慮も必要かもしれません。




●報酬の与え方の問題を考える

「報酬がしょっぱくてやる気が出ない!」といったコメントに始まり、
報酬の与え方一つ取ってもいろいろな注意すべき点がありそうでした。

【労力に応じた報酬は必ず渡す】

基本的に、「プレイヤーの払った労力」に対して
報われたと思える報酬分は『必ず』出すのが、開発側としておすすめです!

リアルだとがんばっても報われないこともありますが、
ゲームなら迷宮の行き止まりに行ったらなぜか必ず宝箱が落ちててもいいんです!
「遠回りしてがんばってたどり着いた宝箱が空」なんていうのはもってのほかです! 
次からは遠回りで回収できそうな宝箱を見てもやる気が出なくなったり、
疑心暗鬼になってしまい、プレイヤーの気持ちをアゲるための『宝箱』の機能を
半分失ってしまいます。
(そういう疑心暗鬼になる体験ばかりさせる目的のゲームならいいですけれども)

一方で、「プレイヤーの労力に対しての報酬」の一例として、
たとえば私の『片道勇者』というローグライクRPGでは、
ゲーム終了時にほぼプレイ時間(=踏破した距離)に比例した量の
「要素アンロック用のポイント」をもらえるようにしています。

「冒険に成功」していればさらにそれが一定量増えますが、
仮にゲームオーバーになっていても
「成功時からちょっと減ったくらいのポイント」がもらえるようになってます。
プレイした時間分くらいは、何か報われたり、積み上げられて欲しいですよね。


【『難しすぎるプレイ』『面白くないプレイ』には大きな報酬を付けない。】

「明らかにいい報酬があるのに難しすぎてクリアが困難」という状態は
プレイヤーの人にとってすごく苦痛です。
開発側はついやってしまいがちですが、
『難しすぎるプレイ』や『面白くないプレイ』に大きな報酬を付けると、
プレイヤーは地獄のような苦しみを味わいながら挑戦し続け、
その途中で心が折れたり、ゲームそのものが面白くなくなってしまったりします。

なので報酬を用意する形としては、
「達成しやすいところまでやれば主な報酬が全て出る」
「超難しい完全クリアの報酬は、勲章や実績・記録がもらえるだけ」

くらいにするのが、多くの人の感情を納得させやすい、
良い落としどころかもしれないと最近思うようになっています。

よく配慮されたスマホアプリなどはそんな感じになっていて、たとえば以下のように、

・中級難易度までのミッションを達成すると
大きな報酬である「ガチャ石」がけっこうもらえる。
・クリアできる人が少ない上級難易度では、ガチャ石の報酬ナシで、
ちょっとしたお金や素材だけがもらえる。


というような形になっていることがあり、上級難易度をクリアできない
多くの人に対しても納得感が強くなる仕組みが作られています。

また『ポケットモンスター』なども、図鑑を全種類集めるという
(人によっては面白さと苦痛の境界をこえそうな)
かなり大変なミッションが毎回ありますが、物語的には
そこまで重視されていないので、
割と気軽に無視できるようになっている気がします。


【うっかり背景用のツボやタルにアイテムを入れない。】

これは今回の話題になかったのですが、
モチベーションやプレイ時間を地味に削る要素になってしまうので
挙げさせていただきました。最近SNSでも話題になってましたね。

たとえば、何もなさそうな壁に【たった1回でも】隠し通路があったり、
大量に置かれている破壊可能なツボやタル
(特に何かがキラキラしているわけでもない)
の中に【1回でも】アイテムが入ってたりすると、
プレイヤーは面倒臭いと思っていても以後、
隠し通路やアイテムを見つけられるかもしれないという期待が生まれてしまい、
【全ての壁や破壊可能なツボやタルを調べなければならなくなってしまいます】

ゲーム開発者視点だと、アクションゲームで壊せる
「無数にあるほぼ背景用のツボ」にもサービス精神でたまに何か
入れたくなる気持ちが出てしまうのですが、背景用なら背景用で、
「背景っぽいのを壊しても絶対に1つもアイテムが出てこないよ」
というルールが統一されている方が、
プレイヤー的に全部調べなくて済むのでありがたいのです。



●内容が自分に合わなくて中断、への対策

「内容が合わない!」ことへの対策、これはもう『自作ゲーム派』開発者的には、
最初からゲームに触れないでいてもらうのが一番シンプルな策に感じます。
合わない内容を省いても問題ないほどの遊びや配慮をつぎ込めるならいいですが、
自作ゲームはたいてい一点特化型のゲームを作るだけで
精一杯なことが多いですからね。

それでも、いくらかの工夫で遊ぶ人を増やすことは可能です。


【ゲームの紹介ページなどで、好みが分かれる内容も説明しておく】

ゲームの紹介ページに、ゲームの詳しい方向性や好みが分かれそうな部分を
最初に書いておいて、苦手な人は避けてもらうのは手っ取り早い手段です。

特に、「好みが分かれそうな描写」や「好き嫌いがあるシステム」は
紹介ページに先に書いておいた方が、合わない人はゲームに触れる前に避けられるし、
好きな人はより積極的にプレイしてくれるようになるのでとても有用です。

実際のところ、これらを詳しく説明することで
総プレイ数が目に見えて減ることはたぶんそんなにありません。
よほどマニアックすぎる要素でない限り、自作ゲームの世界だと
減った人と増えた人を合わせるとたぶん±0か、
むしろ理解度が上がってプラスになることの方が多い印象です。
プレイヤー数はあまり変わらず、プレイ層として
「『好みに合いそうなプレイヤーの割合』だけ増やせる」
と思ったらお得に感じませんか?

そうやって好き嫌いを含めた正しい紹介を書いておくのは
「レビュー付きのストア」でも特に重要です。
プレイ途中で「合わない要素」に気付いた人は
ネガティブレビューを付けてしまいやすいので、
そうなると作り手にも遊び手にも不幸な結末になってしまいます。

たとえば私のゲーム『シルフェイド幻想譚』は
「ゲーム内で日数制限があり、日数と共に刻々と状況が変わるRPGです」
という点をアピールしているのですが、その結果
「急いで遊ばなきゃいけないRPGは遊びたくない!」という人には
紹介文を見た時点で手に取られなかった、という話もちゃんと耳にしており、
これは「紹介がうまくいったケース」としています。

「自分に合わない要素」がプレイ途中で出てくる前に、
そもそも最初から触らないようにしてあげるのも大事な配慮です。


【苦手になりやすい要素を減らしてプレイできるようにする】

これは余力のある開発者向けの配慮ですが、
表現の面で好みが分かれそうな部分を入れる際は、

●結構ホラーなゲームだけどホラー要素を薄めにするオプションを入れておく。

●「リアルな虫が出たらプレイをやめる!」という人もいるかもしれないので、
「虫をモザイクやネズミに変えられるオプション」を入れておく。


といった配慮も入れられると、表現まわりも人に合わせて適度に調整されて、
遊べる人がより増える可能性があります。
前述の「難易度調整」と同じで、これは「表現の度合いの調整機能」ですね。

難易度のところで言った
「高難易度のせいで遊べない人も、そこをゆるくして
ストーリーだけでも遊べると総合の楽しみは増えるよ!」

の逆で、
「本来の演出がキツい人も、演出をゆるくして
ゲーム部分だけでも遊べると総合的には楽しみが増えるよ!」

をしているわけですね。

ただ、表現部分の調整は難易度調整みたいに
数値を変えるコストだけでは済まないので、ちょっと大変になるかもしれません。
それでもゲームにおいては、幅広いプレイヤーを取り入れようとする開発者努力って
意外と報われますので、やる価値は一定以上あると思います。

ウディコンのゲームでも
「ホラー演出を弱めにできるオプション」が付いたゲームが
けっこう届いておりまして、少しでも遊んでもらう人を増やす努力を感じて
「いい配慮だなー!」と思ったことがあります。




◆最後に

という感じで、いただいた「途中でゲームをやめてしまう理由」に対して
ちょっとした対策を考えてみました。
非常に基本的なことも多いとはいえ、
やっておくとよさそうなことは色々浮かびますね。

今回挙がった理由の多くは、
ゲーム開発者側のエゴでやらかしがちなことだったり、
配慮不足で起きることだったり、
知識さえあれば回避できたりすることも含まれています。
私がここで挙げていない有用な対策もいっぱいあるでしょう。

今回のリストは、開発への気持ちが
「俺の見せたいものを元の味のまま見てくれー!」から
「皆さんが楽しめる面白さの総合量を増やしたい!」になっている人には
参考になる部分も多いはずです。

面白いゲームでもほんの一部の問題のせいでプレイヤー側の熱が
冷めてしまうのはもったいないので、
『自信のあるゲームができた!』と思ったときこそ、
隙なく最後まで楽しんでもらえるよう念には念を込めて、
こういったリストを振り返ってみるのもいいかもしれません。

私も開発途中でたびたびリストを振り返って、
ゲームを途中でやめてしまった人たちのこれらの想いが
いつも陰にあることを思い返そうと思います。

このたびは参考になる貴重なご意見の数々、
本当にありがとうございました!
 2024-03-02 (土) web拍手 by FC2 カテゴリ: 開発日誌




2024-02-03 (土)   風来のシレン6に触れて学んだこと【ローグライクお勉強記】
先日、発売から遅れながらもようやく
『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探険録』を
少し遊ばせていただきましたので、忘れないうちにゲーム開発者の視点で
「こういう部分いいですね!」と特に感じたところをメモしておこうと思います。

私も現在、デッキ構築ローグライクRPG『片道勇者2』を開発しているので、
よくできる工夫に気付けたならその意図は取り入れたいですからね!
もちろんゲームのコンセプトは違うので、ちゃんとかみ砕いて
理解した上で意図を取り入れていきたい所存です。

なお、この記事はシレン6のネタバレが満載ですのであらかじめご注意ください。

※「ローグライク」というゲームシステムについてここでは詳しく説明しませんが、
簡単に言うと「マップ上を1歩ずつ移動して、そのマップ上のまま敵に攻撃できたりアイテムを
使ったりするシステム」のRPGです(普通のRPGにおける「戦闘パート」という概念がない)

『風来のシレン6』はターン制で、自分が1歩あるいたり攻撃したりするたび、
全ての敵も1歩動いたり、あるいは1回攻撃してきたりします。
なお、だいたいのローグライクは死ぬとスタート地点に戻されてレベル1からやり直しなので、
「プレイヤーのうまさ」の方を上達させてクリアを目指すゲームジャンルとなっています。
危険な場面でどのアイテムを使うか、どう動くべきか、
そういった適切な判断が求められるのが面白いゲームです!




◆『風来のシレン6』ですばらしかった点、色々!

シレン6、最初のダンジョンクリアとその他ダンジョンの解放くらいまで
遊ばせていただきましたが、今作は
プレイヤーの感情面をさらにゆさぶる明確な意図を持った新要素
や、
まちがいなく遊びやすさ向上につながる新要素
がとても多かったように感じます!

特に「ゲーム面の仕組みやバランス周りだけでここまで
ドキドキワクワクできる感じの調整ができるのか!」と感心したので、
今回はその辺りも注目していきます。
ローグライクというゲームにおいて
「ゲーム部分で感情を盛り上げる仕組み」が今作はすばらしかったんですよ!

※逆に言うと、過去にたまにあった
面白くなりそうな気がするから搭載されたっぽいけどこれどうなの?」と
感じてしまう要素が今回全然なかったり、あるいは過去作から省かれたりしていました。
そういった部分をなくしたりするのも難しいはずなんですが、
今作はそこも含めてすごくしっかり取捨選択されている印象でした。




【バランス】「シレンのHP自然回復上昇」と「敵の攻撃力増加」で
体験がダイナミックに変化!


ここはみなさんもおっしゃっている大きなバランス調整点!
過去作と比べ、大幅に「シレンのHP自然回復上昇」と
「敵の攻撃力増加」が行われました。
たぶん「敵の耐久力(倒すための必要打数)」も全体的に上がった気がします。

これによる変化を2つの観点で見ていきます。


【1.戦術幅の増加、判断の楽しさアップ、スリルの生み方のうまさ】
1つめはゲーム面や体験に与えた影響について!
「戦術幅の増加」「判断の楽しさアップ」「スリルの生み方のうまさ」を
挙げていますが、それぞれ細かく見ていきます!

まず「シレンのHP自然回復上昇」と「敵の攻撃力増加」の変更で
どう変わったというと、少ないターンでHP回復が行えるため、
戦闘中の行動として

『敵が隣接した状態のまま、後退していったんHP回復した後、再度敵に攻撃する』

という行動が現実的な選択肢として増えました。
この記事では便宜上、その戦い方を『後退戦』と呼ぶことにします。
この「後退戦」を活用した具体的な戦闘の流れを紹介します。


【後退戦の例】
まず最初に、1歩あるくたびに主人公シレンのHPが2ずつ回復するとします。
(今作ではレベル10になるとこの速度で回復します!)

通路で敵Aと戦ってるとき、敵Aの一打で17ダメージを受けて
自分のHPが残り10になり、
「あと一撃当たれば敵Aを倒せるけど、次に自分が
攻撃を外したら敵Aの反撃で死ぬ!」という状況になりました。

自分が後ろの通路に一歩下がって自HPが10→12に回復するのを確認し、
あと4歩下がって20まで回復させて、
敵Aの一撃(17)に耐えられる安全マージンを確保しました。
こうすればシレンが次に攻撃を外しても生き残れるので、安全に戦えるわけです。

もし次のシレンの攻撃が外れて反撃を受けたら、
こちらの残りHPが20→3くらいになってしまうので、
また9歩くらい下がって攻撃します。
「ぐあー通路を9歩も下がるのー!? 9歩以内に
他の敵が来たりしないかヒヤヒヤするー!!」と思いながら!

そう! 理論上は無限にHPを回復し続けながら
戦い続けられるように見えますが、下がるということは
別の敵が前から来て、戦闘中の敵とはさまれる可能性がある
というリスクがあるのです!

そのため、「後退できそうな距離」は今作の戦闘で考慮すべき
重要なパラメーターの一つになったのですが、その正確な見積もりは
(ミニマップ上で敵を見られる状況でない限り)非常に困難です。

おまけに、高難易度のフロアに頻発する「1歩先しか見えない通路」内にいる場合は、
移動した後に前から来た敵から先制攻撃を受ける危険性まで発生するので、
安全マージンの取り方はもっと難しくなります。

もっと言えば、この戦法を使うことでよく発生する
「通路で前後マスを敵にはさまれた状況」はおそらくゲーム内で
トップクラスに悪い形で、一手で打てる有効な対策はかなりしぼられてくると思います。

「後退戦」は後退中に何も起きなければ満腹度の限り無限に
ダメージを与えられるハイリターンな技なのですが、
何か起きると非常にハイリスクな戦い方なのです。


【後退戦によるスリルの生み方がすばらしい】
この「後退中に別の敵が前から来て、元の敵とはさまれる可能性がある」
という部分、実際遊び手として体験してみると、
1歩後退するたびに感じる『ヒリ付き具合』がすごい!

この後退中のスリルの生み方が今作において
非常にすばらしいデザインだと感じまして、常に
「逃げてるときに他の敵が来たらヤバいぞ、ヤバいぞ」と思いながら
後退してHPを稼いで戦うプレイをする緊張感を
長く生み出せているのがとてもいいんですよ!

実際は1フロア内の敵の数が少なめのためか、
10歩くらいの後退で挟み撃ちになることはかなり少なく、
「ドキドキさせるんだけども実リソース的にめちゃめちゃにされることは意外とない」
という、私が思うゲームとして理想的な流れにできているのも好みの点です。
まあ「意外とない」だけで、打開策がないときに
1回それが起きたら即座にゲームオーバーなんですけどね!

もちろん調子に乗って長距離後退するとちゃんと挟み撃ちになります。
調子に乗らなくてもすぐ挟まれることがあります。どこまで運頼みするかの見極めが難しい!



【スリルを生む回数を増やすための敵のパラメーター設定】
また、今作は敵の「攻撃力」がかなり上がり、
レベル1で戦う最弱モンスターからの攻撃ですら
こちらが4打でやられてしまうようになりました!
シレンのHPが15しかないのに4ダメージとか出してきます!
最弱のマムル相手でも初期レベルで2体同時に戦ったら普通にやられかねません。

また「敵の耐久力」も、今作は序盤以外のほとんどの敵を倒すための打数が
「2~3打以上」、弱くない敵はほぼ「3打必要」に設定されており、
かつ敵の攻撃力が上がったため、こちらが1~2回ミスしただけで
簡単にピンチになるようになっています。
状態異常をかけてくる敵まで3打必要とか辛い!

このパラメーター設定により、相手次第では1体しかいなくても
「後退戦」が一定確率で発生するようになっていて、
結果として「後退戦」のヒリつき体験はだいぶ長い時間味わえるようになっています。

なおかつ、その状況を生むほど強い相手はだいたい1階層に
1種類以上は出現しているので、緊張感が途切れません。
(もちろん、1回くらい外しても殴り続けるだけで倒せる相手もある程度出ます)


本作は全体を通して「単体の敵なら確実に倒せるから何も恐くないやー」と
なってしまって緊張感がなくならないよう、
意図をもってしっかり敵の強さが設定されている感じがします。
物理攻撃しかしてこない単体相手でも運次第では特別な対応が必要になる
それがシレン6!

 でも私が、操作するだけで楽しさを感じて満足していた10歳のときにこれを遊んだとしたら、
きっと足を止めてのガチ戦しかしなくて難しすぎて投げてたと思います。
そういう遊び方しかできない人もいることは頭に入れておきたいと思います。
(イベント展示で『片道勇者プラス』のプロト版を幼女に遊んでもらったら方向転換ができずに
一方的に敵にやられてしまっているのを見てトラウマになったことがある私より)


※追記:敵の耐久力が高いと戦闘に文脈が出てくる
ちなみに、種族特攻の武器は「ダメージ1.5倍」になるらしいのですが、これだと
「3打」必要な敵は確実に「2打」以下で倒せるようになります。
特攻が硬い敵に対して確実に1打減らせる安心感があるので、しっかりありがたみがあります!
それでいて一撃では終わらないのでダメージを受ける可能性が依然残るため、
敵が多い場合に無思考に流れ作業で戦う展開も
そんなに発生しません(持ち込み武器などでしたら一撃ですが)。

また、「3打」必要となると、周囲の敵の位置関係も重要になります。
一撃で倒せる敵しかいないなら、部屋の中でも一列に並んでやってきていれば
前から切り伏せるだけですが、1体3ターンかかるなら通路に下がって戦うなど
必要な工夫が増えるわけですからね。
さらにその間に「通路側から敵が来ないか」というスリルも生まれる!

「倒すのにだいたい3打必要」という耐久力は、こういう「効力の見せ方」や
「考えどころ」が生まれるのかー、と、いい肌感覚を学べています。




【戦術と判断の幅が増えた!】
前作シレン5では、後半のHP回復速度が低かったので
「逃げながら戦う」ということは滅多になく、
「危機になった時点でとにかくアイテムを使って対応する」という
『アイテム消費してほぼ確実に安全を得る』
という打開策がだいたいの場面で最善手でした。

ですが今回、『ほぼノーコスト&ハイリスクハイリターン』
「後退戦」ができるようになったおかげで、
どこまで節約するかの柔軟な択が増加しました!

たとえば強い敵や多くの敵と遭遇した場合でも、
「敵にはさまれるリスクを負いながらアイテム消費なしでの後退戦をする」か、
「今すぐアイテム使って敵を無力化し、急な敵のおかわりにも対応できるようにしておく」
かの悩ましい選択が生まれています。
また、「後退戦」と「アイテム消費」を組み合わせれば、より少ないアイテム消費で片が付くでしょう。

後退戦のリスクの正確な見積もりは非常に難しいので、
何が正しかったのかの評価はコンピューターにも簡単に計算できず、
難しい局面では「誰が考えても同じ解になる」みたいな流れに
なりにくいのが今作の特にアツいところだと感じます。


そして今回、一番大事な点として言いたいのがここ!
伝統的ローグライクゲームはプレイが極まっていくと、
『より少ないリソースを使って危機を乗り越える判断をしていく』
という面白さを味わうゲームになっていくと考えていて、
これまでのシレンでもおおまかには

●安全に倒せる敵はその場で通常攻撃で倒す。
●ピンチのときはアイテムを消費するが、その中でもなるべく効果が小さいか
残弾に余裕があるものから使って節約していく。


という形でそれを実現していたと思うのですが、その両者のすき間に、今になって

●一定確率でハイリスクな状況に陥るが
アイテム消費なしで無限ダメージが出せる『後退戦』


という選択肢を現実的な形で増やしてくるというのが開発手腕としてすごい!

「なるほどこうやって選択肢の択を増やすと面白いのかー!」
と首がはずれるほどうなずいています。
特に「リソース消費なし」だけど「一定確率でかなりマズい状況になる」という点が、
プレイヤー感情としてのドキドキ感やギャンブル感も出せて無駄がない! ズルい!

この造りは実際に体験してみて非常に面白く感じたので、
こういった「判断の段階の生み方」は自分もうまく作れないか、
よく考えていきたいと思います。

※追記:なおフロア内の敵の位置が常に全て分かる『気配察知の腕輪』が取れたら
通路での挟み撃ちを回避しやすくなるため、マズい状況になる頻度をかなり減らせます。
今作、敵の位置が分かることはほぼノーコストで無限の火力を
発揮できるチャンスに繋がるので従来以上に強いです!



【まとめ】
●【ゲーム面】戦闘時のピンチにおいて、通常の
「アイテム消費あり+だいたい安全」の『アイテム消費』
という打開策に加え、
「アイテム消費なし+ハイリスク」の『後退しながらの戦闘』
という選択肢の幅が増えて判断を楽しくさせている。

●【感情面】「敵の高攻撃力化」「もっぱら3打必要な敵の耐久力」
「後退による素早い自HP自然回復」の組み合わせにより、
頻繁に「後退しながらの戦闘」が発生し、
スリルの感情を長い時間生み出せている。




【2.画面情報から危険度が分かりやすくなった】

こちらも引き続き「シレンのHP自然回復上昇」と「敵の攻撃力増加」に起因する話で、
画面情報から危険度が分かりやすくなったという話です!


【バランス調整で見た目からの分かりやすさがアップ!】
配信しながら遊んでいる中、「自然回復速度アップ」と「敵の攻撃力アップ」の
修正で感じたのは、実は『見た目の分かりやすさの向上』でした。

1体のモンスターですら自HP満タン状態からガチバトルすると運次第で負ける中、
複数の敵に囲まれたりなんかしたら「通常攻撃で戦うだけじゃ絶対死ぬ!!」
というのが明確に分かるので、配信中も何度か敵に囲まれて
「ギャアアア!」と言ったと思います。

が、バランス自体はさらに厳しくなったように見えて、実は

●プレイヤー視点で特別な対応をすべき状況(アイテムの使用しどころ)が
分かりやすくなった。

●視聴者から見ても「ヤバい状況になった」というのが明確に分かる回数が増えた。
(とにかく2体以上の敵に寄られたらキツいので、見ればすぐ分かる)


という変化が起きており、これらはとてもいい点に感じました。
この動画時代だと一目で見て状況を把握しやすいというのは大事なので、
これはすばらしい修正のような気がします。



【自然回復速度が遅いゲームだと状況把握が難しくなる?】
ここまでは「自然回復大、敵の攻撃力も大」という前提のゲームの話を
してきましたが、一方で『自然回復速度が遅くてジリジリHPが減っていく中を
うまく生き残るゲーム』って、実は遊ぶ側も見てる側も
なかなかのマニアックさが要求されるのでは、という考えが私の中にあります。

どうなるかというと、以下のようになる場合があります。

●自然回復速度が遅いゲームは「敵の攻撃力も低めになりがち」で、
敵が複数でも「殴っても強引に勝ちにいける」という可能性が残りやすい。

→ この結果、プレイヤーとしてもアイテムを切るべきかどうかの判断が
かえって難しくなり、プレイヤー側にも視聴者側にとっても
「難解さ」を上げてしまっているケースがある。

●自然回復速度が遅いゲームはHP維持のために
「さほど危なく見えない場面でも予防的にアイテムを
切らないといけない場面」が発生しやすい。

→ しかし「危険になる前にHPを減らさないように対応している」様子は
直感的に『ピンチに対してうまくやっている』ようには見えづらく、
視聴者にとっての見どころが分かりにくい! 上級者同士の将棋みたく、
1画面では暗黙の文脈がパッと伝わりづらくなりやすいかも。



これらは「問題点」というよりはゲームの「味」と呼んでおくのが丸そうですが、
こういった点に対し、シレン6では「大きい交戦ごとにだいたい自HPが満タン」に
なっており、「画面内の敵が何体シレンに接近してるか」という部分だけ見れば
危険度が一目で分かります。

2体以上の敵に寄られたら本当にヤバいので実況プレイヤーの方も
「ギャー!」「ヤバい!」って言っちゃうでしょう!
私は言ってました。そういう部分も分かりやすい!

そういった意味でシレン6は「過去作よりデータ的には難しくなったけれど、
アイテム消費などで工夫をすべきポイントは旧作よりも分かりやすくなっている」
「視聴者も見ててピンチが分かりやすい」
という印象があり、
ゲームとしても動画コンテンツとしても、よりスッと頭に入ってくる感触がしました。

今が危ない状況かどうか、1画面を見て
プレイヤーも視聴者もパッと分かる仕組みになっているか?


これは動画映えを意識したゲーム開発において、非常に重要な点になると感じます。
自作ゲームも動画映えもなるべく狙っていきたい身としては、
そういった分かりやすさを出すための努力もしたいですね!


【まとめ】
●【ゲーム面】「敵の強化」と「ほとんどの戦闘開始時での自HP満タン化」
により、(自然回復が遅いゲームよりも)アイテム使用など
特別な対応をすべきタイミングが画面の状況から分かりやすくなっている。
●【動画配信面】パッと見て、敵の多さだけでまずい状況か否かが直感的に
分かりやすくなったので、視聴者にも親切になった(かもしれない)。




【バランス】特に条件を必要とせずプレイヤー有利になる要素があってうれしい!

ここから先は細かいお話です!

シレン6では、以下のボーナス要素があって、
私に「ラッキー!」と感じさせる効用が強かったです!
さらにこれらのボーナス要素は、特別なアイテムなしに入手可能です!

●高確率でアイテムが出るキラキラ:
通路や部屋の端にたいてい3個くらいのキラキラが埋まってることがあり、
通常攻撃すると割といいアイテムが2~3個手に入ります。たまに敵や罠も出ます。


↓こういったキラキラを攻撃するとアイテムや敵が! いいアイテムが出やすい気もしますが気のせい?

 
●柱の部屋:壊すとアイテムが出やすい「柱」が9個並んでる部屋などが
出てきてワクワクします。たぶんこれもたまに敵が出ます。



一方、これまでのシレンでは、

●壁を掘れる場合だけ入れる隠し部屋
→ アイテムやお金が大量に落ちているが、穴を掘るためのツルハシなどが必要。

●アイテムが3つ落ちている、水路に囲まれた小島
→ 場所替えの杖やマップ改変系アイテムで入る、割と良いアイテムが多い印象。


といった『特定アイテムを持っている場合だけ入れるお得な場所』が
用意されていたのですが、前述のように必要アイテムなしで
「探索だけで色々と特別なボーナスが手に入る(と感じられる)パターン」は
ほぼなかったか少なかった気がするので、今回のように
「探索するだけでもらえるボーナス」が新鮮でした。

こういう要素は「うれしさ」感情を増してゲームにメリハリを生み出すのに
役立っていると感じたので、ぜひとも参考にしたいですね!


そして思ったのが、おいしい展開に出会うのに、「ツルハシを持ってる」などの「特別な前提条件」なんて別にいらなかったんだ! ということ!

もちろん「前提条件がそろってるときだけうれしい要素」があると
狙っていく意欲が生まれて楽しいのですが、何割かのボーナスは
前提条件なしでもらえても何にも問題なかった!
確かにソーシャルゲームの「ログインボーナス」だって、「ログインする」という
低コストな行為でもらえるものですが、嬉しいと言えばちゃんと嬉しいですもんね。


【アイテム発生量の裏側について考える】

ちなみにこの流れを見て思ったのが、ゲーム開発側は
「全体のバランスが同じまま、こんな風に『喜ばしい体験』だけを
増やすこともできるんだよなあ」
ということでした。

たとえばすでに「地面ドロップ分」だけで完全にバランスが取れた
ローグライクゲームがあったとき、「喜び要素」をそこからバランスを
あまり変えずに足すこともできます。

それは「【通常の1Fあたりのアイテム取得数】を減らして全体のレア度を
下げ、【お手軽入手可能なボーナス分】にレア度の高いアイテムを回して、
総合的に普通通りのバランスになるようにする」
という単純な工夫!
誰でも思いつくけどたぶん意外とやれてない!

でもこうすれば、バランスほぼそのままで
プレイヤーへの「ラッキー!」という感情だけを増やすことだけができます!

どうせ同じ総リソースをプレイヤーに渡すなら
『もっとも喜ばれるあげかた』をした方が体験としてもいいですよね。

こんな風に『大きくバランスを変えずにラッキー感だけを追加で生み出せないか』
という意図を持っておくことは、ゲーム開発において非常に有用だと感じます。
今後もこれを意識して、同じものしかあげてなくても「喜び度」を
たっぷり上げていく工夫も考えていきたいですね!
TRPGでゲームマスターなどをやるときも、こういうテクニックは使えそうです。


【まとめ】
●【感情面】特別なアイテムを用意せずとも、探索しているだけで割と良い目の
アイテムが複数一気に取れる展開があり、プレイヤー感情的にうれしさが増加!

●【開発側視点のバランス】開発側としては、普段出てくるアイテムを少しだけしぼって
ボーナス分に回すことで、全体のバランスをたもったままプレイヤーの
「ラッキー!」感だけを上げることができる(かも)!




【バランス】神器という複数付与つき装備を見つけたときのちょっとした興奮!

シレン6は低確率ながら、最初から付与効果が複数付いている
強力な装備が手に入るようになりました。最大付与枠も多いそうです。
明らかに特別な武器なので、これはうれしい要素ですね!

が、それよりも「あ、これいい!」と思ったのが、
マップ画面上でも光っていて遠くからでも「おっ!」と気付ける
ようになっていること!
近付くと「フィーン!」という感じの何か出たっぽい音もする!
これはハック&スラッシュ系ゲームでレアアイテムが出たときの伝統的演出!

こんな風に

『レアアイテムを目立つようにお知らせして、
拾うまでのディレイを生むことでプレイヤーをワクワクさせる』


という仕組みは、テンション上がりタイムを少しでも
長く生み出すために重要な方法です! 分かってるー!
色んなところから細かくワクワクできる要素を取り入れているのが
すごいしっかりしてるなあ、と感じました。自分も見習いたい!

 私の『片道勇者』でも特殊な付与が複数付いた装備はさらっと登場しますが、
「いっぱい付与が付いてることが遠くから分かるようになってる方が絶対にワクワクできる」ので、
私もそういうワクワク感強化の方向性はしっかり取り入れた方がいいなあ、と感じました。
他にも、「敵だらけのダンジョンの宝箱に強装備が入っている」と遠くから分かるようになれば、
コストを支払って取りに行くか悩めるようになったりして楽しいでしょうしね!


なお、神器の性能は「普通より高い基本攻撃力&印の枠数多め」
という感じだったので、合成ベースとして使うと強い感じでした。
驚異的に強すぎるというほどではありませんが、
「いいベース装備の神器を1本取れると強化の過程をグッと短縮できる」
という印象で、取れるとしっかりうれしいアイテムになっています!


【まとめ】
●【バランス面】特殊能力がいっぱい付いてたり能力枠が多く性能も高い神器が
まれに登場し、遠目に見ても分かるようになっている。
見つけたときにテンションが上がる程度にちゃんと強い。

●【感情面】明確なレアアイテムが遠くから見えたり
音で知らせてくれるとしっかりテンションが上がる!




【バランス】『デッ怪』が登場する、スリルある
ステルス攻略フロアが登場、「夜」システムの進化系?


過去作のシレン5では「夜システム」という、時間が経つと夜になって
めちゃめちゃ強い敵だらけになる代わりに、シレン側も回数制限ありで
強力な技を使えるようになるという状況が一定頻度で発生する局面がありました。

基本的には「敵になるべく合わないように進んでね」「技を活用して進んでね」
というステージだったと思いますが、それまでのプレイの文脈と
だいぶ切り離された状況になる部分もあり、好みが分かれるシステムでした。

今回はその夜システムと似た立ち位置のシステムなのか、
『デッ怪』という存在がダンジョンにまれに登場するようになっています。

『デッ怪』は工夫しないとまともに倒せない巨大な敵で、
攻撃力もすさまじい代わりに、鈍足でしか行動しない敵です。
プレイヤーは「うわああああ!」と言いながら
そのフロア中で『デッ怪』から逃げまわることになります。

『デッ怪』は一定時間で消えますが、『デッ怪ホール』という
ミニマップに常時表示される穴から何度でも召喚されます。
一見、ただのお邪魔キャラクターが出るだけのシステムのように思えます。


【でもちゃんとリスクとリターンがある挑戦ステージだった】
が! 後で知ったのですが、実はこの『デッ怪』にやられないように
フロアを全部回ると『デッ怪』ホールが消えてほどほどに良いアイテムが
もらえるっぽくて、新たなステルス挑戦フロアという形式になっていることが分かりました。

それを知ると「味変(あじへん)の一つとしてこういうのもアリだなあ!」と思ったのですが、
初回プレイ時はそのメリットや、『デッ怪』ホールのつぶし方に気付きませんでした。

先にゲーム内で教えてもらっていたらワクワクしながら挑めたと思うので、
「目立つように報酬があることを情報公開してもらってもよかったかも?」
とは感じましたが、どこかで説明があったのを見逃したか、
見ても覚えてなかっただけかもしれませんね。


この『デッ怪』は、従来の「夜システム」で目指したかったかもしれない
『強い敵がいる中をドキドキしながら進む楽しみ』の方向性をそのままに、
より面白さが生まれる形にブラッシュアップされたものになった印象で、
リスクとリターンが分かるとワクワクできます。

以前狙った内容を良い方向に再構成されている見本として、
これは開発者として勇気をもらえる部分です。
「体験させたい感情」は同じでも、より良いやり方はきっと色々あるんだ!
という希望が持てます。



【バランス(これは昔から)】「腐ったおにぎり」という存在の納得感

これはたぶん初代からなので、シレン6特有の話ではなく伝統的な話なのですが、
「あーこれは納得感の強いバランスだなあ!」と感じられたので取り上げておきます。

シレンシリーズには、『腐ったおにぎり』という食料アイテムがあります。
デロデロの罠などを受けておにぎり系アイテムが腐るとこうなってしまいます。

食べると「混乱」「睡眠」「目つぶし」「まどわし」「力が3下がる」という
ペナルティのいずれか1つを受けますが、満腹度は一定量回復します。
どうしても食べるものがないときはこれのお世話になるわけですね。

で、何がいいかってこの『腐ったおにぎり』、「ちから-3」みたいな
最も被害が大きいハズレ被害を引く確率って、
おそらく20%しかないっぽいことなんですよ!

他のペナルティも、敵が10ターン以内に来ないところで食べれば
仮に目が見えなくなってもすぐ回復して何の被害も受けませんし、
仮にハズレを引いて「ちから」が下がったとしても、「背中の壺」や
「毒消し草」みたいなアイテムでちからを回復する方法もあります。

そして満腹度自体はちゃんと増えるので、
「2割くらいでしか後遺症リスクがないなら許容できるし、
工夫して食べれば問題が起きにくいのはいいなあ」と私も感じられたので、
良いデメリットの作り方として注目すべき部分だな!
というのを今になって感心していました。


なお、『腐ったおにぎり』をプラス効果の『焼きおにぎり』というアイテムに
変換する方法もあるので、『腐ったおにぎり』を持ち続けるという
選択肢にも意味があります。

こんな風に、「デメリットはほどほどなので気軽に食べることもできる」
「焼けるチャンスを待って置いておく選択肢もある」と、複数の選択肢に
ちゃんとバランスのよいメリットデメリットがあるので、
『腐ったおにぎり』はすばらしいデザインのアイテムだ! と感じたのでした。

【プラス効果のランダム効果として強い効果も入れられる】
ちなみにこの逆で、『特製おにぎり』という、食べると
「腹減らず状態」「しのび足状態」「拾い識別状態」「HP全回復」という
4つの良い効果の中から1つが抽選されるプラス面のおにぎりもあります。

特にその中の効果の一つ、「拾い識別(そのフロア中、拾ったものを自動識別できる)」
が付くと、高難度の完全未識別ダンジョンで超有利になったりするので、
こちらも興奮度が高いです!

が、おそらく25%でしかそれを引けないので、強すぎるのはそうなんですが
プレイ全体を通して見るとそこまで強すぎるわけでもありません。

こういったランダム効果もうまく設定できると「やった!」と
プレイヤー感情をゆさぶるのに使えそうなので、よく覚えておきたいと思います。



【配慮】マップに「通ったマス」が表示される!

さて、ここからは配慮のお話! まずマップに通ったマスが表示されます!
なんてすばらしいんだ!

何がいいって、このゲームは「罠」という見えないトラップが部屋に
存在するため、一回通過したマスは安全地帯になるんですよ。
次からは、一度通ったマスを通れば罠に遭遇することはありません。

が、過去作では通ってきたマスなんていちいち全部覚えているわけもなく、
必死になってそれを覚えている方が探索においていくらか
有利になってしまうというずいぶんな記憶ゲーになっていました。
といいますか、さすがに私は面倒で、記憶することをを諦めていました。

ですが今回は「通ったマス」がミニマップを見れば分かるようになっているので、
記憶力に頼る時代は終わりました! いい時代です!
そう、「記憶すべき内容」はツールに頼って、我々は
創造的な作業や判断力を要求される作業をやるべきなんですよ!



【配慮】戦闘テンポがいい! メニューもいつも通り瞬間!

戦闘テンポがよく、メニューもいつも通り瞬間展開されます! 
攻撃モーションは素早く、『片道勇者』と同じかそれ以上の
戦闘テンポなので遊びやすい!
メニュー表示も一瞬で、メインの操作テンポ周りの
不満点は何も思いつきませんでした。

このあたりは基本といえば基本なんですが、
プレイ時のほぼ全ての操作に影響してくるので最重要部分です!
自分も常々、気をつけていきたい点です。



【配慮】一回戦った敵のHPと攻撃力と特殊能力が図鑑で分かる! 敵ダメージも推定可能!

シレン6では、冒険中でも敵の能力を図鑑で簡単に見られるようになりました。
特殊能力についての説明もかなり詳しめに書かれています。

 ※「そんな仕様あったの!」と言われそうな内容も網羅!



特にこの図鑑、遠くからでもいいので新たな敵に一度攻撃すれば、
その時点で図鑑から敵のHPや攻撃力などが確認できるようになるのがあまりに強力!

被ダメージも「敵の攻撃力-シレンの盾防御力」で
計算できる感じだったので戦闘の見通しが立てやすくなっており、
ローグライク作品として非常に遊びやすくなっています。
体を張ってダメージを受けて敵データを学んでいく必要性が
薄くなっており、これこそ時間のない現代人向けの素敵な仕様です!

そしてなにより、マップ上から「見渡す」で敵にカーソルを合わせれば
すぐ図鑑にアクセスできるので、HPや攻撃力や特殊能力を
すぐに思い出すことが可能です。
近付いたら超ダメージを与えてくるかもしれない相手もすぐ分かって安全!

「いちいち図鑑を確認する」という工程を要求される部分は
ゲーマー向きかもしれませんが、こだわる人に対するローグライクとしての
「フェアさ」が行きすぎているほどに便利ですばらしすぎる!

ここまでの仕様は私もなかなか真似できない部分ですが、
複雑な能力を持ったモンスターを出現させたり、急に攻撃力の高い
モンスターを出したりするゲームなら、これに近い配慮は
しっかり入れた方がよさそうだと感じます。

 ちなみに『片道勇者プラス』でもこの図鑑ほどできていないにせよ、
大ダメージを与えてくる敵は先に教えないとフェアさが足りないと思ったので
「危険な攻撃力の敵は赤く点滅して遠目にも分かるようになっている」
みたいな配慮を入れて対応していました。




【配慮】一度見たアイテムの価格や売値が図鑑で分かる! もう値段を覚えなくていい!

上と同じく、アイテムの効果や、
「価格」や「売値」も冒険中に確認できるようになりました!
これまで攻略本を見なければ分からなかったことが
ゲーム内で分かるようになっており、遊び手視点で非常に感動しました。

特に上級難易度のダンジョンでは値段でアイテムの識別をする場面が
増えてくるので、それをチェックできるのはすばらしい!

従来は、なかなかここまでゲーム内での情報公開が
されてこなかった印象があるので、ここに来て殻を一枚やぶってくれた感触があります。
こういったデータ面での配慮は、私も参考にしたいくらいです。

わがままを言うなら、さらに一歩進んで買い物時に
「過去に見たどのアイテムの値段と一致してたか」の候補まで
出てたら超最高でしたが、さすがにそこは自分でチェックしましょうって感じでした。
自分でローグライクを作るときは、そこまでこだわれそうなら
開発こだわりポイントになるかもしれませんね。



【配慮】攻略したダンジョンの敵テーブルが見られる!

踏破したダンジョンのフロアは、
敵の出現テーブルが見られるようになります! すごい!

実際に出会ったモンスターだけしか表示されませんが、
前述の通り、敵の詳細スペックも見られるのでもはや攻略本が必要ありません!
なんということだ!
いやそもそもWikiに駆逐されてて攻略本が出せるご時世なのか分かりませんが!

敗北しても、あとからデータを見て攻略プランを練ることができるのはすばらしいと思います。
実装もきっと面倒臭いでしょうに、よくがんばってくれました! ありがたい!



追記:【バランス】通常攻撃は簡単に命中率100%にできないらしく、
良い意味で緊張感ゼロにさせない信念を貫いている


どうも今作、これまでにあった『必中の剣』みたいな100%必中の
「武器」や「印(効果)」がだいぶ入手困難になったっぽくて、
通常攻撃戦闘においての「確実性」を実現するのが
かなり難しくなった印象があります。

必中効果、存在するのは存在するらしいのですが、
SNSで見た感じ特定の裏ダンジョンでしか出ないという感触で、
私はいまだに見たことがありません。
2024-2-2時点で攻略サイトを見てみても「必中の印」の情報が
まだ載ってなかったり、あるいはアイコン画像が歯抜けになっている
(攻略班が撮影できてない?)くらいですからよほどなのでしょう。

おそらく確率面の緊張感をゼロにしない意図で
『ノーコストの行動に100%の安心感を作れていた』要素への
アクセスを難しくしたのではないかと思いますが、こういう細かいところまで
対応してるのは『なるべく多い時間、緊張感の維持をさせたい』という
意図を貫いてる感じでしっかりしてるなあ! と思ってしまいました。

あまり詳しくないのですが、従来は『必中の剣』系は
最初の30Fダンジョンでも割と入手しやすそうなアイテムだった記憶があります。

「100%の確実性を得られるのは『杖や巻物などのアイテムを消費』する場合だけ」
という風にほぼ固めて、『通常攻撃には小さくとも確率的な不安要素を
残したり、攻撃を外した場合のサブプランを想定させるようにして緊張感を生み続ける』


アクセスしにくくされた要素からも、プレイヤーにどう感じさせたいかの意図が
にじみでていて、強い信念のもとで取捨選択や取得難易度の設定が
行われたのだなというのが感じられます。



追記:【バランス】裏ダンジョンがこれまでよりなじみやすそうに感じられる!

現在、大量に出てきたクリア後ダンジョンなども眺めているのですが、
今作はクリア後ダンジョンの
「段階的に『もっと不思議』に慣れさせようとしてる配慮」
が優れていそうだったり、
「これなら楽しく遊べそうかな?」感がしっかりにじみでてたりと、
ガチ性よりも面白さにちゃんと振ってる感じがあって、
遊ぶ前からワクワクをかきたてられています。従来作よりもです!

いや、その、これまでの裏ダンジョンって私みたいなライトプレイヤーだと
「元気なときにやろうかな」ってなっちゃってなかなか
触る気力が出なかったところもあるんですよ!
プレイテンポが今回ほどでなかったのが心理的にジワジワと
モチベーションを削っていた、などの要因も密かにあったかもしれませんが。

でも今回は、草や巻物なども未識別になってしまう
「もっと不思議」系のダンジョンでも、一部のダンジョンは
完全に未識別なわけではなく、
「未識別アイテムにカーソルを合わせると3択の識別候補が示されて、
どれかを推測する」という段階が間に入ってたりして
とても遊びやすそうです! これを考えた人すごい!


こういった「なじみやすさを上げようとしている部分」の肌感覚は
プレイに慣れてしまうと忘れがちで、かつ開発側だと真っ先に
意識からはずれやすい部分なので、こういう配慮をすべきであることは
しっかり記憶に焼き付けておきたいと思います。



以上、ちょっと遊んで感じた点をとりとめもなく書いてみましたが、いかがだったでしょうか。
私がこう感じたという話なので「いやそこは解釈違いだよー」などは
あるかもしれませんが、たとえ誤解でもゲーム開発の
役に立ちそうな意図をたくさん得られた気がします。

シレン6は全体を通して、「感情をゆさぶる仕組み作り」が従来以上に上手だったり、
「(作るのも手間がかかりそうなのに)あればうれしい補助機能」が
存分に搭載されてたりと、満足の塊みたいな一作でした!

過去作と比べるだけでも、感心するほどたくさんの配慮や、
盛り上げるための様々な仕組みが取り入れられており、
ゲームのブラッシュアップとはこうするんだぞ、
というすばらしいお手本を見せてもらった気がします。


私がどこまで学べるか分かりませんが、
すばらしい意図はいくらでも使えるようになりたい!
できる部分から、吸収できるところはしっかり学んでいきたいと思います。
 2024-02-03 (土) web拍手 by FC2 カテゴリ: 開発日誌




2024-01-20 (土)   フリーゲーム関係×2 & 『片道勇者』SteamDeck対応
介護が最近ますます大変になってきて
腰のダメージが回復するどころかずっと増え続けているウルフです。

ここ最近はSteam版『片道勇者(プラス)』のSteam Deck対応をがんばったのと、
ウディタの修正を行っていました。
サポート業務ばっかりでメインの開発が進んでないので心が重い!

今回は「フリーゲーム話」を2つと「Steamのお話」を2つお送りします!


●最後の『フリゲ2023』 コメントありがとうございます!



『フリゲ2023 (The Final) あなたのベストフリーゲーム』という、
フリーゲームへのコメントを募るイベントがありまして、
私の作品にも多くのコメントをいただきました!

といいますかリストの作品数がとんでもない!
世界にはこんなにフリーゲームがあふれているんだ! と驚かされます!
ウディコン作品もいっぱい載ってましたね!

◆フリゲ2023ページ https://furige.herokuapp.com/2023/ (アーカイブ)

私のゲームにいただいたコメント集へのリンクは、
見つけられた分で以下の通りでした。
私からのコメントも各作品に送らせていただきましたので、ここでもご紹介!


●シルフェイド見聞録 https://furige.herokuapp.com/2023/comment/11119 (アーカイブ)
 私のコメント:まだ覚えてくださっている方がたくさんいらっしゃって作者として感激です!
『シルフェイド見聞録』は私にとってほぼ原点の作品でありながら、
当時の未熟さゆえに完結させられていないままの作品です。
私の生きているうちにリブートしたいなという気持ちは本当にありますので、
期待度は低めで、気長にお待ちいただけますと幸いです!

→ リブートするなら思い出補正を乗り越える必要があるので、
その壁を乗り越えられると見込めるようになった頃が
プロジェクトの再開タイミングになると思います! 修行あるのみ!


●シルフェイド幻想譚 https://furige.herokuapp.com/2023/comment/10600 (アーカイブ)
 私のコメント:たくさんの思い出のコメント、本当に感謝の限りです! 
『シルフェイド幻想譚』は自分の思っていた以上に、みなさまの中に
色んな楽しみや思い出を生み出せていたことをコメントから気付かされました。
こういった作風のRPG、生きてる間にもう一本くらい作ってみたいですね。

→ これも割と直感寄りで作った1本だったので、
面白さを分析、再構築できるようにして、
もう一本くらいはこういうRPGを狙って作ってみたいです!


●モノリスフィア https://furige.herokuapp.com/2023/comment/10650 (アーカイブ)
 私のコメント:たくさんのコメントありがとうございます! 
マウスアクションという新しい挑戦をした一作なのですが、
まだ覚えていてくださる方がいらっしゃって、本当に作ってよかったです!
まだ遊んでおられない方には、今でも新鮮さを感じることができる一本かも
しれませんので、普通のアクションゲームに飽きた人にはよければぜひ!

→ これは今リメイクしてSteamとかで出してもいけるのでは?
とちょっと思っています。でも腱鞘炎になる人が増えそうなのが……。


●シルフドラグーンゼロ https://furige.herokuapp.com/2023/comment/11345 (アーカイブ)
 私のコメント:まさかこのゲームにもコメントをいただけるなんて! ありがとうございます!
変なやりこみプレイに対してもクリア後のコメントがあるとちょっとうれしいですよね。

→ 変なプレイにも反応があるとうれしいですよね!
今後もチャンスがあったら入れていきたいです。


●片道勇者 https://furige.herokuapp.com/2023/comment/10843 (アーカイブ)
 私のコメント:『闇』(様々な時間制限)に追われながらも、その範囲でやれることを何とかこなしつつ、
持てるものを選びながら進んでいく……それは人生も同じだと思います。
とても長い時間遊んでくださったというコメントがたくさんあって、作者として感謝の限りです!
遊んでくださった皆さま、本当にありがとうございます! 
2023年12月時点ではまだ開発中ですが、有料作品の『片道勇者2』もいずれ
リリースされていると思いますので、もし興味がおありでしたらそちらもぜひ! ゼヌーラ!

→ とても長い時間遊んだ、というコメントが特に目立つ一作でした。
うれしい! 『片道勇者2』も全力を尽くします!


●プラネットハウル https://furige.herokuapp.com/2023/comment/11261 (アーカイブ)
 私のコメント:コメントありがとうございます! こんな突き放したコンセプトのゲーム、楽しんでもらえるかなあ?
と心配でしたが、変な操作ばかりでもしっかり最後まで遊んでくださって、
なおかつ、まだ覚えていてくださる方がいらっしゃったことが非常にうれしいです!
PERYKARN氏によるアツいSFストーリーも必見!
でも私はケモナーというほどケモノ好きじゃないつもりなんですよ! 本当なんです信じて!

→ 動物とケモ耳キャラがもっと上位に来てるところから派生して
獣人キャラも好きなだけでケモノ好き度合いはほどほどなんですよ信じて!


【ありがとうフリゲ20XX!】
『フリゲ20XX』は、毎年のフリーゲームを知るにあたって
すばらしい場でしたし、私のゲームも評価してもらえるときがあって、
非常に思い出深いイベントでした。

フリーゲームって、注目している場が違ったり、
オススメしてくれる人がいないと面白い作品が出てても
全然気付けないので、こういう投票の場で知ることができるのは
とても貴重だったように思います。

また、ウディコン作品も上位で紹介してもらえることがあって、
そういった面でも助けになっていてありがたかったです! 

色んな作品にコメントを投稿してくださった皆さま、ならびに
これまで長いことフリゲ20XXを開催してくださった運営の皆さま、

 「面白い」と言ってもらえるゲームを今後も作りたいなあ、
という気持ちを思い出させてもらえました。
いただいたコメントを胸に、これからも前進していきたいと思います!


●自作ゲームマガジン発売!

続いてはこちらもフリーゲームの話題!
今の3分ゲーコンテストの主催の方より、
『自作ゲームマガジン』という自作ゲームの雑誌が作られました!

※コラム寄稿しただけなのに私の名前が大きく載ってて恥ずかしい!


私もこの活動を応援したかったので、自作ゲーム開発を始める人に向けて、
私の「最初の挫折と、ゲーム開発の第一歩の思い出」のお話を
コラムとして寄稿させていただきました。

どこかで話をした内容の「完全版」みたいな内容なので、
私の本などを読まれた方は部分的にご存じの内容です。

他にも話題に取り上げるべきフリーゲーム情報が載っていて、
電子版なら500円と非常にお安いので、
フリーゲームの話題が気になる方はよければぜひ!

【自作ゲームマガジン紹介ページへ】 (アーカイブ)(/a)

フリーゲームは伝統工芸的ポジションになってるのかも、
みたいな話は皆さまとのお話の中にも出ましたが、
こういう歴史と繋ぐまとめ情報媒体はコンパクトサイズであっても
「続くこと」を期待したいものだと思います。

わがままな希望ではありますが、1年に1回でもこういうのが続いてくれるとうれしいですね!


【ウディコンを本に残すことも考えてみる?】

そういえば「歴史に残す」と言えば、私がいなくなっちゃうと
ウディコンのサイトもなくなっちゃってウディコンがあった証拠が消滅しちゃうので、
いずれ記念として、作品紹介やコメントなどを「書籍」の形で
残してみたりするのもいいのかもしれません。

もはや今となっては、サーバーにデータを置いてあるよりも、
ショップさんに本のデータを置いてもらう方が情報として
長生きさせることができそうな気がします。
私のやることがなくなったら、そういう記念本もちょっと考えてみたいと思います。
AmazonさんちのKindleに出したりするのも慣れてますしね!


●SteamでAI生成画像などが利用可能に!?

私の記事を継続して読んでくださっている方向けに、いちおうのご連絡です!

以前、「Steamでは、画像生成AIで作られた画像が、買った素材集に
こっそり混ざってるだけでゲームがリジェクト(拒否)されるから恐い!」
みたいなことを申しましたが、先日Steamのルールが変わり、
AI生成物も使用できるようになりました。

https://store.steampowered.com/news/group/4145017/view/3862463747997849618

この発表の大事な点をおおまかに整理すると、以下のようになると思います。


●ゲーム提出時にAIに関するアンケートが求められ、
開発者はゲームの開発および実行においてどのように
AIが使用されているかの説明が要求される(アート/コード/サウンド)。

●AI使用は「事前生成」と「ライブ生成」のそれぞれでカテゴリー分けされる。
「事前生成」は普通のゲーム通りに審査される。
「ライブ生成」だと、変な内容が出ないようにどう対策を講じているのかまで書く必要あり。

●これらの内容は今後も再検討される可能性あり。



という雰囲気!
「素材にAI素材がこっそり混じってたりしないかあ」とビクビクしなくてよくなったのは朗報です!

が、AI生成画像などをガッツリ使うかと言われれば、
まだまだ権利的な話題において風当たりが強いので、
今のところはほとんどの画像生成AIは使いにくいままだなあと思っています。

CC0や許諾ありのオプトイン素材だけで学習されている
「きれいなモデル」なら権利的に問題なくなるので、そういうのがあれば、
それに自分の絵を学習させたりして遠慮なく使えて最高なんですけどね!
そういうのも徐々に出始めているみたいなので、今後に期待しています。





●Steamの片道勇者、Steam Deckに対応!
Steamの『片道勇者』が『Steam Deck』という携帯ゲーム機に対応しました!

↓Steam Deck開発機! ちなみに左上のは整形外科でもらったロキソニン(痛み止め)テープ


つい最近、Steam片道勇者の起動ランチャーをなくしたおかげか、
「Steamさんちの審査でDeck上で『プレイ可能』になったけどどうするー?」
とご連絡をいただいたので、慌ててDeck対応の作業をしていました。

このSteam DeckはSteamのゲームを遊べる携帯ゲーム機です。
Windowsのゲームがある程度動くエミュレーター環境で動作しているようで、
Deck対応に向けて私もそこそこ『片道勇者』の修正作業が必要でした。

フォントの問題:「Arial」と「MS Gothic」は入ってたが「Arial Black」は入ってなかった。
→ この2つは「名前だけ同じ似たフォント」かもしれません。
ほんのちょっとだけ横幅が違う程度の差がありました。
→ 【×】ウディタのサンプルゲームでも指定している「Arial Black」は
Steam Deckには入っておらず、代替フォントを入れました。
Windowsフォントも全部入っているわけではなさそうです。
→ 【×】また、「MS ゴシック」と日本語で指定したフォント名は
Steam Deckでは読み込めないようでした。

サウンド問題:MIDI音源は再生できない。
→ Steam DeckではMIDI形式以外の音源を用意する必要がありました。

ボタン表記の問題:ボタン表記は、ABYXLRボタン表記にしたほうが評価が高くなる。
→ たとえばキーボード用のまま「Zキー:決定」になっているとか、
Deckボタンのどれか分からないボタン表記「①:決定」などの
ままだと評価が下がるようです。
また、「F4:画面サイズ変更」といった、Deck上では操作がめんどい
キー表記が残ってても評価が下がります。
こういう画面サイズ変更機能などは、できればオプション内に
入れちゃった方がいいでしょうね。


といった感じの課題が発生していました。

結局、Steam Deck対応状況を「最高評価」にするには
すぐ対応できない課題が多すぎたので、
黄色の「いちおうプレイ可能」扱いのままでの公開となっています。

プレイ体験的には大きな問題はないと思いますので、
Steam Deckをお持ちの方で
「『片道勇者(プラス)』を寝転びながら遊びたい!」
という方はよければぜひどうぞ!

Steam『片道勇者』ストアページへ



という感じで変わらずサポートで忙しいままですが、やれる限り全力で進めています!

そして自由な時間ができ次第どんどん『片道勇者2』を進めたい!
まもなくシレン6も出ますから、片付けておかねばならないことは
しっかりやっておきたいですね!
やりたいことはいっぱいです! うおおおお!
 2024-01-20 (土) web拍手 by FC2 カテゴリ: 開発日誌
開発日誌 1/1


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